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頭を下げるだけの司法書士からの脱却。大学時代はひきこもりも29歳で独立開業~佐藤良基さん

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受験勉強に燃え尽き、大学合格で目標喪失し、
大学時代は4年間ひきこもりで就職活動もしなかった佐藤良基さん(33歳)。
たまたま親のツテでアルバイトを始めた司法書士事務所に入ったことがきっかけで、
これぞ天職と思い、難関の司法書士試験に25歳で合格し、29歳で独立起業を果たした。
今は新しい士業の働き方のモデルとなるため、
独立した個人同士が連携して働くワークモデルを提唱・実践している。
(取材日:2015年1月17日)

■1:大学入学と同時に4年間ひきこもり生活
小・中・高校と地元・宮城県栗原市の公立学校に通っていた佐藤さん。
親は新聞販売所を経営していたが、父親が教育おやじ。
「大学に絶対に入れ」という至上命題のもと、佐藤さんは必死に勉強。
大学受験は父親がすべて学校を選んで願書を出し、
受かった中で一番偏差値の高かった同志社大学経済学部へ行け、
との父親の言うまま進学した。

しかし、あらゆる意味で大学入学にショックを受けてしまった。
まさか高校からエスカレートで進学している人たちがいるとは思わず、
「仲間に入れなさそう」という疎外感を感じてしまったこと。
東北弁なのにみな関西弁で、バカにされるのではないかという思い。
身長168センチにもかかわらず80キロ以上体重がある太った体型からも、
バカにされるのではないかとのコンプレックス。
慣れない一人暮らし生活。
今まではずっと地元の友達がいたところで暮らしていたのに、
誰一人として友達がいない不安。

さらにショックを受けたのは、
大学は勉強するところではなかったということ。
てっきりみんなまじめに勉強するもんだと思っていたら、
生徒は遊びが中心で、先生もやる気がなく、まじめに勉強をする雰囲気がない。

こうして大学に行くことにやりがいも楽しさも見いだせず、
4年間ひきこもり生活となった。
親からの仕送りがあったのでアルバイトは一切せず。
ひどい時には1日16時間、家にこもってゲーム三昧だった。

大学3年生になり就職活動が始まったが、活動はまったくしなかった。
単位がとれるかがギリギリで卒業できるかどうかわからなかったこともあるが、
「大企業だけに手当たり次第、何十社もエントリーする活動の仕方はおかしいのではないか。
本当なら行きたいと思う会社2~3社ぐらいを選んで活動するべきなんじゃないか」
と就職活動のあり方にも疑問を抱いた。

結局、就職活動はせず、でも単位はギリギリとれることになり、
さあどうしよかと困った時に、実家に帰ると、知り合いのつてで、
「千葉の司法書士事務所でアルバイトが必要だ」と言われ、茶髪のまま面接を受けに行くことに。
ただ運よく採用されることになり、
司法書士とは何をやる仕事なのかもまったく知らないまま、司法書士事務所で働くことになった。

■2:独立起業するも震災なので紆余曲折
司法書士とは主に、不動産や会社設立の登記を行う仕事。
事務所で働くうちに「この仕事は自分に向いているかもしれない!」
と思うようになった。
日中、事務所で働きながら、資格を取るため勉強を始めた。
合格率はなんとわずか約3%という難関資格。
合格平均年齢は30代半ばという試験にもかかわらず、25歳で合格することができた。
働くようになってから大学時代のひきこもり生活とはおさらばでき、
27歳で結婚することにもなった。

ただ妻からこう言われた。
「今の給料でどう養っていくつもりなの?」と。
司法書士試験に合格したものの時給換算のアルバイトに過ぎず、
ならば稼ぐためには独立しかないと考え、準備を始め、
2010年、29歳の若さで独立することにした。

事務所をどこで構えるべきか考えた時に、
千葉の浦安市が司法書士が少ないと知り、浦安で事務所を開設。
貯金もほとんどなかったが、公庫から280万円融資を受けることができた。

しかしはじめの半年はほとんど仕事なし。
ひどい月には売り上げが6万円しかないことも。
あっという間に資金もつきかけ、「これはまずい!」と思い、
今まで自作だったホームページをやめて、
きちんとした会社にホームページを作ってもらうことに。
また地元の人との人脈作りや士業の人脈作りに力を入れた結果、
紹介でいろんな仕事が入ってくるようになった。

やっと仕事が順調になりかけた時、東日本大震災が起きた。
宮城の実家も浦安の事務所もそれほど大きな被害がなかったものの、
実家も心配、浦安も液状化被害で取引先などが被災し、
仕事にならない状況になってしまった。

どうしようと悩んでいたものの、
震災からまもない時に会社設立の登記の依頼が。
こんな時に会社設立なんてと思ったが、
「こんな時だからこそ前を向いて進まなきゃ」という取引先の言葉にはっとし、
自分も前を向いてがんばっていこうと思い直した。

そんな矢先に仲の良い税理士さんから、
「目黒で共同事務所という形態で仕事をしないか」という誘いが。
今ここで浦安を去って目黒に行くのは、見捨てるようで後ろめたい気持ちもあり、
またやっと浦安に人脈ができはじめたのに、それを失いこともあり、迷ったが、
仕事のことや収入の古ことや家族のことなど、トータルで考え、
税理士さんとともに目黒で共同事務所を開設することになった。

■3:スタッフを雇わず、一社依存せずに働く方法を模索
税理士さんと一緒に仕事をすることで、安定的に仕事を確保することができた。
でも一方でこうした働き方に不安を覚え始めた。

1税理士に依存しすぎていやしないか。
他の税理士の仕事を受けにくくなってしまうのではないか。
税理士事務所のスタッフに気を使わずに、自分のペースで仕事がしたい・・・。

そんな矢先に「痔ろう」という病気にかかり、入院することになった。
「入院なんて仕事上できるわけがない」と通院でごまかしていたが、
入院してしっかり治さないと大変なことになると言われ、やむなく1週間の入院をすることに。

その時、再び働き方について考え直した。
「自分が病気なったら仕事ができなくなってしまう。やはり人を雇うべきなのだろうか」

でも人を雇うことには疑問を感じていた。
士業でスタッフを雇うと自分のイヤな事務作業をしてもらうことが大半。
そのため仕事がおもしろくないので、
他の士業の事務所ではスタッフの入れ替わりが激しい。
士業の人も「あのスタッフは使えない」といった愚痴ばかり。

一方で自分の仕事も任されるようなできるスタッフでも問題だ。
なぜならそういうスタッフは独立してしまうからだ。

病気で穴をあけてしまうリスクがあるとはいえ、人を雇うのは違うと思っていた時に、
あるお客さんからこんなことを言われたという。

「あの仕事、別に急ぎではないので、退院して落ち着いてからでいいですよ。
仕事は佐藤さんにやってほしいので。ゆっくり休みなよ」

その時、思った。
スタッフを雇って自分がいなくても回る組織を作ることを、自分がしたいわけではないんだと。
スタッフを雇うのはやめよう。自分だからこそできる仕事。
自分にやってほしいというお客さんを増やそうと考えた。

震災や入院があったために働き方について、いろいろ考えるようになった。
そんなこともあったせいか、共同事務所だった税理士とはある案件でもめてしまい、
共同事務所を解消することに。
この税理士からの売上は大きかったが、もともと、
「一社に売り上げを依存するのは危険。できるだけ分散しよう」
と思っていたことが功を奏した。

司法書士の中には一社に依存する個人事務所が非常に多い。
金融機関や不動産屋などの大クライアントがあれば、
定期的・安定的に収入が見込めるからだ。

でも一社依存のために、そのクライアントの無茶な要望は何でも聞き、
意味もなくただペコペコ頭下げるだけの姿勢はおかしいのではないかと思った。

「司法書士を業者扱いして下に見るところもあります。
でも本来は対等なはず。
でも司法書士の側もクライアントの機嫌を損ねないように、
へいこらした態度をしているからそう見られてしまうのでしょう。
でも本来はそうじゃない。
司法書士の悪しき働き方を変えるためにも、
一社依存せず、クライアントと対等に仕事ができるようなモデルになりたい」

私が22歳の頃。サラ金で不動産を担保に融資をしていたのだが、
22歳の若造に私よりもはるかに年配の司法書士の方が、
食事をご馳走してくれたりゴルフをおごってくれるのがわからなかった。
でも司法書士にとってはうちは大クライアントだったからこそ、
そんな風に接待してくれているんだと後になって気づいた。
確かに一社依存で事務所を運営している司法書士は多い。

また佐藤さんは独立した個人がお互いに専門的な能力を持ちより、
案件ごとに連携して仕事をするスタイルを広めたいと考えている。

人を雇う必要はない。事務所も借りる必要もない。
どこかに依存したり提携したりする必要はなく、
フラットな関係性で案件ごとにお互いに組んで働くことが、
本来の士業のあるべき働く姿なのではないかと。

そんな風な新たな働き方のモデルとなることも考えながら、
佐藤さんは司法書士として働いている。

※ちなみに佐藤さんは人狼ゲーム好きでそのゲームを教えてもらったのですが、
おもしろくてはまってます!

・佐藤良基さんのホームページ「リョウキジ」
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by kasakoblog | 2015-01-18 23:49 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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