2016年 05月 07日
被災地と被災地外との温度差に苦しむあなたへ
家を失い、仕事も失い、家族も失い
今もなお体育館での厳しい避難生活を
強いられている人がいるのに
一歩、被災地から離れるとそこは別世界。

被災地、被災者の苦しみはまるで無関心。
すぐそこにこんなに大変な思いを
している人がいるのに
くだらないことに興じ
くだらないことを楽しみ
そんなくだらない日常を
フェイスブックやらブログやらで
垂れ流している。

許せない!
こんな苦しい思いを
している人がいるというのに。

そんな風に思っているあなた。
そんなに憤ったり怒ったり
感情的になったりしなくてもいいのですよ。

被災地という場所は日常とはまるで違う。
あなたは今、あり得ない
非日常世界の中を生きている。

被災地にはマスコミ美談だけでは
片付けられない
人間の醜さや憎しみや悲しみや怒りなどが
充満していて
そこが「日常」となってしまったあなたは
心のバランスを崩してしまっている。

被災地にのみこまれて
自分自身や正常な心を失いかけている。

苦しんでいる被災地を日常的に
見ているあなたにとって
遊びほうけているような被災地外の日常が
許せないと思うのは当然でしょう。

でもそんな被災地外の日常がなければ
すべてがダメになってしまう。
無関心で遊びほうけているような人でも
被災地に支援の手を差し伸べていたかもしれない。
現地に行かなくても物資やお金を
送っているかもしれない。

直接的な被災地支援をしていなかったとしても
被災地外の人たちが日常している仕事が
間接的に被災地の役に立っているかもしれない。
被災地を支援してくれている人たちの
支えになっているかもしれない。
仕事をしていなかったとしても
被災地外の人が「消費」することで
誰かの商売が繁盛し
そのおかげで経済が回り
それがめぐりめぐって
被災地支援のお金になっているかもしれない。

目の前に家を失った人たちが
何人もいて苦しんでいる中
被災地外ののんきな日常は
許せないと思うかもしれないけれど
そんなのんきな日常がなく
「不謹慎」「自粛」という名のもと
被災地外でも沈み込んだ雰囲気に
なってしまったら
被災地への支援も間違いなく減るだろう。
めぐりめぐって経済が悪化し
支援する人もお金も物資も
減ってしまうだろう。

温度差があってもそれは仕方がない。
あなたが今、温度差に苦しんでいるように
かつてのあなたも他の地域で起きた災害時に
被災者から「のんきな日常を垂れ流す
許せない輩」と思われていたかもしれない。

でもそれは悪くない。
あなたにはその時あなたなりの日常があり
精一杯あなたの人生を生き
余力があれば被災地に何らかの形で
支援をしていたかもしれないのだから。

被災地という日常が当たり前になると
時に無力感を覚えるかもしれない。
圧倒されるほどの被害や難題、課題に対し
私なんかが手伝っても
何の解決にもならないのではないかと。

そんなことはない。
それは驕りというもの。
甚大な自然災害に際し
一人一人ができることなんて
そうたいしたことはない。

もちろんすごいパワーで
支援をしている人もいるかもしれないけど
他人は他人、自分は自分。

「私より大変な被災者がいる」
「私より被害を受けた被災地がいる」
その一心から過度に自分の生活を犠牲に
自分の心に余裕がないまま
被災地支援を続けていると
あなたの心は壊れてしまい
活動は継続できなくなってしまう。

あまり入れ込み過ぎないこと。
他人は他人、自分は自分と割り切ること。
まずは自分の心身のバランスを
きっちり整えること。

あなたが憤っていたり悲しんでいたり
怒っていたりしたら
何もできなくなってしまう。

自然災害を目の前に人は無力だ。
でも無力かもしれないけど
微力ながらできることはある。
微力でしたことを過小評価する必要はない。
あなたがあなた自身を犠牲にしながら
支援をするのは健全ではない。
それは長期的な目で見れば
あなたのためにも被災地のためにもならない。

まずは自分の心の平静を取り戻した上で
事実を淡々とみつめて
できることとできないことを峻別し
自分の生活や家族を大切にした上で
できることをすればいい。

被災地とどうかかわるか
他人を気にする必要はない。
自分は自分であって人は人。

だから被災地外の日常に
憤りを感じていたら
あなたの心の危険のサイン。

被災地にのみこまれてはならない。
過度に同情するのではなく
自分の心をしっかり持ち
自分自身が心のゆとりを持ちながら
被災地とかかわること。

GWが終わったら
温度差はさらに拡大するだろう。
でもそれはそれ。

助けが必要なら
ネットで発信して助けを求めればいい。
感情的にならず
何が必要かをきっちり見分け
客観的な事実を伝えるよう
心掛けること。

そして自分の生活も大切に。
自分の心も第一に。
時にはゆっくり休んで。

被災地の復興は時間がかかる。
今日明日の問題だけでなく
年単位で考えなければならないこと。

だから今、感情的にキッーとなって
心を乱してあなたが倒れてしまうのは
得策ではない。

自分を守れない人間に
他人は守れない。

まずは自分の心を癒してから
被災地にかかわったらいい。

・東日本大震災で起きた
被災地やボランティアの心の歪みを
描いたノンフィクション
「検証・新ボランティア元年
―被災地のリアルとボランティアの功罪」


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by kasakoblog | 2016-05-07 15:25 | 生き方


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