人気ブログランキング | 話題のタグを見る

国会空転は野党のせい?

定額給付金が焦点となり、国会が空転しているのは、
野党が審議拒否などをするからいけない、
というもっともらしい批判があるが、私はこれは正しくないと思う。

なぜ国会が空転し、金融危機後の景気後退に、
政治空白が生まれ続けているのか。

答えは簡単。
自民・公明政権が選挙をしないからだ。

諸悪の根源はすべてこれに尽きる。

そもそも解散総選挙を行うべきは、
麻生内閣でも福田内閣でもなく、安倍内閣がすべきだった。
2007年夏の参議院選挙で、
強行採決を繰り返す自民・公明政権に対し、
国民の多数がノーをつきつけ、参議院で与野党が逆転した。
いわゆる「ねじれ」現象だ。

参議院選挙で大敗したこの時点で、
安倍内閣は総辞職か衆議院解散総選挙をすべき、
と言われていた。
にもかかわらず、安倍自民・公明政権は居座り続けた。
この2007年夏から、日本の政治がおかしくなった。

居座り続けた安倍総理を引きずりおろすために、
麻生太郎が次の総理大臣になりたいがために、
反安倍を煽って、安倍内閣を倒閣させた。
それが2007年9月のことだ。

麻生太郎は次期総理大臣に有力視されていながら、
でしゃばる麻生太郎を嫌う人間が党内にいて、
結局、人畜無害そうな印象の薄い福田康夫が、
当初の予想に反して内閣総理大臣となった。

福田内閣発足時にも、解散総選挙すべきだとの声があった。
衆参のねじれ状態は変わらず、
選挙の信認を受けていない内閣だからだ。
ところが福田内閣も居座り続けた。
こうして政治空白がさらに助長されたのである。

そして2008年9月。
顔をすげかえ、サミットまで延命させ、
支持率が落ちてきた福田内閣を、
またもや麻生太郎を筆頭に引きずりおろした。
2年連続、突然の内閣総理大臣辞任という、
とんでもないふざけたことが行われたわけである。

しかしこのおかげで今度こそ麻生太郎が、
なんとしてでもなりたかった総理大臣になれた。
ただ、いくらなんでも2度、総理大臣をほっぽり投げたのに、
現自民・公明政権が居座り続けるのはおかしいというのは、
与党にも自覚があり、
麻生に顔をすげかえ、すぐに解散総選挙が行われるはずだった。

ところが、自民党総裁選という茶番の政治空白が行われている間に、
アメリカで金融危機が勃発した。
すぐに解散総選挙するはずだった麻生太郎は、
すぐに解散せず、しばらく総理大臣の座につく、
またとないチャンスを得たのである。

「選挙より景気対策を国民が望んでいる」
そういって、今の今まで居座り続けてきたのである。

しかし参議院で惨敗し、与野党が逆転した2007年夏から、
総理の顔が変わったところで、
国会の体制は何も変わっていないのである。
自民・公明の思い通り、
なんでもかんでも強行採決すれば、
自分たちに都合のよい政策が実現できる状態にはない。
参議院で過半数をとる野党の声に耳を傾け、
政策や法案を出すのは当たり前のことだ。

それをやらずに、選挙もせずに、
自分たちのメンツのためなのか知らんけど、
党内に疑問視する声が多数あるにもかかわらず、
無理やりにでも定額給付金を押し通そうと思えば、
野党の反発にあうのは当たり前の話で、
それを野党のせいというのは筋違いだろう。

選挙もしない。野党の声にも耳を傾けない。
否、自民党内の声にすら傾けない、自民・公明政権。
こんな状態で無理やり強行採決すれば、
国会が空転するに決まっているのだ。

私は野党のやり方がいいとは思わないし、
野党の政策がすべていいともまったく思わない。
特に最近の民主党は批判すべき論点を間違え、
ちょっと目に余る状況だ。
ただ居座り続ける自民・公明よりマシなことは間違いない。
だから私は野党がいいとは思えないけど、
自民・公明を批判し続けている。

選挙をやったらいいんです。
それで自民・公明が支持されれば、
堂々と政権運営したらいい。
選挙をやらずに総理の顔が3度も変わっているのに、
強行採決するからダメなんです。

とにもかくにも選挙をすぐにやりなさい。
今、日本の政治にできることはそれしかない。
引き伸ばせば引き伸ばすほど、
政局は混迷し、政策は実現できず、
これから本当に恐るべき事態が起きる、
世界経済体制の大転換に備えることができなくなる。


ここまでが現状の分析だが、
ただ選挙をやったからといって日本の政治は良くはならない。
ご覧の通り、自民だろうが民主だろうが、
自民でも民主でもない第3の新党が現れようが、
今まで馬鹿げた政治をやっているメンツは、
何も変わらないし、政治制度も何も変わらないからだ。

こうした政治空白ができないためにやるべきこと。

1:参議院を廃止する。
二院制である限り、ねじれが生じれば、
また政治空白が生じてしまう。
二院制はいらない。
仮に二院制にこだわるのなら、
参議院は地方の代表者が集まるとか、
裁判員制度のように国民から抽選で選ぶとか、
まったく違う選び方をした、
衆議院とは違う人種を選ぶ必要がある。

2:政党を廃止する。
政党政治だからダメなんです。
それは定額給付金の問題にはじまったことではなく、
政治家が党議拘束かけられて、
造反したら選挙で不利になるような仕組みである以上、
定額給付金に反対と思っている自民議員も反対できないし、
野党としてもなんでもかんでも与党の政策にケチつけないと、
自分たちの存在意義がなくなってしまう。

政党の当選政治家数で政治が決まる今の状態では、
政治家の中身ではなく、政党に投票せざるを得ない。
だから、選挙時だけの政党の国民人気で、
選挙の結果が左右され、
その結果が何年も政治に反映されてしまうという、
おかしな状況が常態化してしまう。

だから政党は廃止する。
人本位で政治家を選ぶ。
法案ごとに与党も野党もなく、
政治家の信念で賛成・反対すればいい。

3:政策国民投票をする
ただ政治家を選ぶだけだと大きな問題が生じる。
政治家が投票した民意をすべて代弁できないからだ。
たとえば、定額給付金に反対だからAさんに投票したのに、
天下り温存に賛成してしまう政治家だったとか。

間接民主主義である以上、それは仕方がないというかもしれないが、
ネットが出てきた今、間接民主主義ある必要はなくなった。
すべての政策とはいわないけど、
重要な政策や法案については、国民投票で決めればいい。
ネット投票なら瞬時にできるが、
そういうとネットアレルギーの人が、
「ネットを使えない高齢者はどうするんだ」
と批判するので、しばらくは、
ネット投票だけでなくアナログな投票をしてもいい。

でも国民に政策投票させたら、
何も政策が実現できなくなるのではないかという危惧もあるが、
それは個別の法案ではなく、
パッケージでどれを選ぶか選ばせる。

たとえば、消費税増税賛成・反対かと投票させたら、
反対票が多く、増税できないかもしれないが、
消費税20%にするかわりに子どもの教育費・医療費無料案と、
消費税10%で子どもの教育費無料案と、
消費税5%で現状のまま、
といったように、
パッケージになった政策で選ばせればいい。

それを国民投票で決めれば、
これほど民意が反映した政治はないし、
国民も自分たちの多数決で選んだのだから、
政治が悪いのを政治家や官僚、
マスコミだけのせいにはできなくなる。

ただ言っておくが、どんな政治制度でも政策でも、
完璧なものなどない。
政治とは今よりマシなことをしていくこと。
それが政治の本質だと思う。

だから国民も政治にしらけて、
無関心になったり無投票するんじゃなく、
今よりマシなものは何かを考えて、
行動して欲しいなと思う。

それが自国の政治を良くするための、唯一の手段だと私は思う。

所詮、その国の政治や政治家のレベルは、
国民のレベルそのものでしかないのだから。

by kasakoblog | 2009-01-15 02:00 | 政治

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


by kasakoblog