2009年 03月 06日
ハワイ真珠湾は戦争賞賛地?
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ハワイの真珠湾(パールハーバー)には、
日本軍の真珠湾攻撃によって沈んだ、
戦艦アリゾナの記念館と、
第二次世界大戦終了後、
日本の降伏文書の調印式が行われた、
戦艦ミズーリ号が並べられ、
ともに観光名所として公開されている。

パンフレットによると、
戦争が始まった象徴(アリゾナ記念館)と、
戦争が終わった象徴(戦艦ミズーリ号)を、
パールハーバーでは一度で見れるという意図らしい。

戦争の悲劇を後世に伝え、
人類が二度と同じ過ちを繰り返さないために、、
広島・原爆ドームや長崎の平和記念公園、
アウシュビッツ強制収容所、
中国ハルピンにある、
日本の細菌・生物兵器開発部隊、
「731部隊」の建物跡など、
こうした場所を見るごとに、
どちらが悪い、誰が悪いという次元を超えて、
戦慄を覚えるがごとき戦争の悲惨さが感じられた。

そのような文脈上で、
ハワイのパールハーバーを訪れた。
日本軍の奇襲攻撃が2390名の命を奪ったのである。
もし日本軍が真珠湾を攻撃しなければ、
もしかしたら広島・長崎の悲劇はなかったかもしれない。
そのような意味でも、
ハワイに訪れてビーチリゾートでのんびりし、
免税店のショッピングに明け暮れるだけでなく、
日本人は訪れるべき場所であると思った。

しかし、私は正直、拍子抜けした。
戦艦アリゾナが沈んだ記念館や、
記念館でのドキュメンタリー映像を見ても、
戦争の悲惨さや、
二度と戦争を起こさないためといったメッセージ性が、
まったく伝わってこないのである。

一言でいうなら、
アメリカ人のナショナリズムを高めるための、
国威発揚施設とでも言うべきか。

戦争が悲惨だとか、戦争が悪いとか、
人が人を殺しあうことの愚かしさとか、
そういうメッセージはこれっぽっちも感じられない。

日本軍の奇襲によって沈められた戦艦アリゾナの記念館は、
世界の強国アメリカが、日本なんていうクズな国に、
いまだかつてない敗北を味わされた「不名誉」を、
決して忘れはならないという教訓のために、
わざわざ公開しているものであり、
でもアメリカはこの不名誉な敗北にも負けず、
真珠湾に公開されている潜水艦バウフィン号や、
戦艦ミズーリ号などの軍事兵器によって、
日本を叩きのめし、アメリカは勝利した、
戦争に強い国だということを、
第二次大戦という悲劇から70年以上が過ぎた今でも、
アメリカ人に自国の戦争力の強さを訴えるための施設としか、
私には受け止められなかった。

戦争の悲劇を訴えるのなら、
沈んだアリゾナ号の隣に戦艦や潜水艦を展示するだろうか?
日本で言うなら原爆ドームの隣に、
アメリカ戦闘機がかっこよく飾られているようなものであり、
アウシュビッツ強制収容所でいうなら、
収容所の隣にヒトラーの偉業記念館があるようなものだ。

確かに中国のこの手の施設は、
戦争の悲惨さを通り越し、
憎き日本の非道をやたら強調するきらいはあるけど、
それでもそこに展示されているものからは、
単なる反日教育だけでなく、
いかに戦争が愚かなものであるかは、
十分読み取れることができた。

しかしパールハーバーにはまったくそれがないのである。
むしろ真珠湾攻撃のようなことがあるからこそ、
戦争はすべきであり、軍事力は拡張すべきであり、
憎き敵国をぶちのめす戦力を持つべきだと、
訴えているように思える。

別に私がアメリカが嫌いだから、
そのように受け取ったわけではなく、
パールハーバーを訪れて素直に感じたことだった。

アリゾナ記念館からは人的被害の深刻さは伝わってこない。
やたらアメリカ国旗ばかりが目立つ記念館。
あまりおもしろくなかったアリゾナ記念館を後に、
戦艦ミズーリ号博物館や潜水艦バウフィン号博物館を訪れると、
「すげぇー、かっこいいな。戦艦とか潜水艦って」
と、人殺し兵器に感動してしまう自分がいた。

私は兵器や軍隊を一切持つなというような、
非現実的なあり得ない理想論的平和論は持ち合わせていないが、
だからといってこのように、
戦争の悲劇にかこつけて、
軍事力の必要性を煽るパールハーバー的観光化って、
はっきりいって常軌を逸しているとしか思えない。

戦艦や潜水艦をかっこいいと思いながらも、
これが単に人殺し以外に使い道がない代物に、
これほどの技術と金をかけるものかと、
その恐ろしさも感じた。

2000名以上の命が沈められた真珠湾が、
さらなる軍国主義を煽る再生産基地になっていることに、
アメリカの凄まじさを感じざるを得なかった。

そして最後にこう思う。

そういえば、ここはハワイだけど、
なんでハワイはアメリカの領土なの?と。

戦争がゼロになることが無理でも、
戦争を少なくしていく努力はできるはずではないか。
私はそう信じたい。

・アウシュビッツ強制収容所レポート
http://kasako.web.infoseek.co.jp/poland.html

・満州レポート
http://kasako.web.infoseek.co.jp/china.html


by kasakoblog | 2009-03-06 22:32 | 【写真】海外


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