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2007年 01月 31日
渡嘉敷島から考える
<1>離島は交通の便がよくなると過疎化する
「渡嘉敷島」と聞くと、どこにあるんだかよくわからない、
最果ての離島のような響きがあるが、
観光的なキャッチフレーズでいえば、「那覇から最も近い離島」。
なんと那覇から日帰りできるほど、アクセスのよい、距離的にも近い島なのだ。

離島へは那覇の市街中心部に近い泊港からフェリーで1時間10分、
さらに高速船ならわずか35分である。
私はできるだけ島にいる時間を長くするため高速船にしたのだが、
なんとすべてシートベルト着用で、
基本的にデッキで立ち歩いて海の写真撮影もできないほど、
ものすごく揺れるのである。
乗り物酔いに皆無の私ですらちょっと気持ち悪くなるほどだった。

ただこれは高速船のせいだけとはいえない。
帰りはフェリーにしたのだが、フェリーも相当に揺れた。
これまで島旅をしてきた私が乗ってきた船の中でも一番の揺れ。
船や船のスピードに問題があるというより、海の問題なのだろう。

渡嘉敷島の港に着くと、ビーチのある阿波連の集落まで歩いてはいけないので、
宿の車が送迎に来ているはずだった。
ところが手違いで来ておらず、電話を掛けても留守電に。
夏季はバスがあるらしいが今はない。
困っている私を見た船舶課の人がなんと宿まで送ってくれた。
(後で聞いたところ、宿のご主人の弟さんだったようで責任を感じて送ってくれたそうだ)

乗り合わせた車で、ふと船舶課の方がこんな話をした。
「高速船ができたのが平成12年なんですがね、
渡航客は多くなったけど、泊まり客は少なくなりましたね。
日帰りと泊まりとではお金の落とし方も違うし・・・」

「離島は交通の便がよくなると過疎化する」という、
一見正反対のようで実はマイナス影響という原則はここにもあった。
離島に橋をつくる、高速船を走らせる、航空便をつくるなどなど、
離島にとって活性化になるはずのこの施策は、
外から人を呼び込む作用より、離島から外へ出て行ってしまうことを促進してしまうのだ。
不便なら限られた島空間でなんとかしようとするし、
違う場所で何かをしようとは考えず、島での「自立」を考えるのだが、
離島よりはるかに便利な「本土」につながってしまうと、
みんなそっちへ流れてしまう。
皮肉なことである。
(ちなみに、橋ができて実は過疎化が進むのではという指摘をして感銘を受けたの が、
藤原新也の「藤原悪魔」のエッセイだった)

とはいえ、この島は有数のダイビングスポットである。
他にはない魅力的な観光資源があるので、
何もない離島よりははるかに状況はいいとは思う。

島ねこ撮影のために島を旅しているとはいえ、
トラベルライターでもある私としては、
猫撮影だけでなく観光名所もあれば訪れたいとは思っていて、
旅行地的な視点でも島を見て回っている。
しかしこの渡嘉敷島はダイビングをしない限り、
観光という島ではないかもしれない。
別に離島に観光を求める人は少ないだろうし、
私としてもぐるぐる島を散歩できればいいのだが、島内の移動手段がない。

たとえば正月に私が旅した粟国島、伊江島、久高島は、
レンタサイクルがあるので自転車でのんびり島を巡れるのだが、
この渡嘉敷島にはレンタサイクルもレンタバイクもない。
なぜならアップダウンが厳しいからだ。

島もそこそこ広いので、
各所に散らばる展望台や集落を見て回るには、
車がないとダメなんだけど、レンタカーがいっぱいあるわけではないので、
その意味では、ダイビングかビーチでのんびりする人以外、
那覇から近いからといって、上記3島のように気楽に観光できる島ではない。

<2>離島へのユートピア幻想と閉鎖性
1時間もあれば1周してしまう阿波連集落以外、
他へは行けそうにない。
2日間もあるのでここで猫だけ撮影して終わってしまうのも、
せっかく島に来たのでもったいないなと思っていた。
島に点在する展望台や集落を見て回ってみたいなと。

そんな私にこれまた偶然の出会いが訪れる。
1日目、猫撮影を終え、昼食をとろうと食堂を探していた。
オフシーズンにもかかわらず、13時30分ぐらいまでやっている食堂は何軒かあったの で、
油断していたせいか、14時過ぎになって食堂を探すとどこも準備中になってしまっ た。
まあ別に食堂で食べなくても、
泊まっている宿で頼むか、1軒ある集落でパンかおにぎりを買うか、
食べないという選択肢もあるなとは思いつつも、
せっかく離島に来たのだから、
そこのものをできるだけ多く食べたいなとも思っていたので歩き回っていると、
たまたま一軒、食堂らしき店がやっていた。

豆腐の店まめやというところで、集落にある「食堂」といった雰囲気はなく、
ログハウス風の開放感のあるカフェのようなつくりで居心地が良さそうだ。
気さくなおじさんが出てきて食事ができるということで、
沖縄そば500円を注文した。

猫を撮影しているカメラマンだというような話をしていて、
いろいろ話が弾んできたので、
那覇に正式なかさこ名刺は置いてきてしまったものの、
ホームページ宣伝用簡易名刺を5枚だけ持ってきたので渡すと、
またさらに話が弾み、ここのおじさんが島を車で案内してくれるという話になった。
そのおかげで、私の上述の悩みは解消し、
宿を1周、主要地点をぱっと巡ってくれた。

ただこれだけの話ならもしかしたらよくあることなのかもしれないが、
実はこのご主人が考えていることや話してくれたことが、
「つぶやきかさこ」的、現代社会を観察、批評した上で活動を行っている人だったた め、
妙に「意気投合」したというのが大きなことだった。

ご主人は、いずれ「親子で体験できる宿をつくりたい」と、
イラストで描かれた構想をもとに話をしてくれたのだが、
「最近、家族同士の殺人事件が起きているのは、親子のふれあいや教育に問題がある から。
親子の絆を深めるような豆腐づくりなど体験を中心とした宿をつくりたい」というの が、
ご主人の心にあるようだった。

またご主人は島を案内してくれる中で、
島の問題点もあげていた。
彼はこの島生まれなのだが、約30年間東京で働き、
7年前にこの島に戻ってきた経緯があることから、
「外」の視点があるゆえ、よく島の問題が見えるのだ。

1つは、最近、島への観光客が減っているのは、
島の人たちが観光客のためになる努力をしていないからではないか。
有数のダイビングスポットで那覇から近い離島ということもあり、
夏は観光客が来て当たり前という意識から、
サービスや対応があまりよくなかったり、
客が求めていないオプションサービスを勧めたりしているのではないかと。

もう1つは、無駄な公共事業。
南北に長い島の北側には「国立沖縄青年の家」という立派な施設があり、
グループの研修目的なら宿泊無料だという。
渡嘉敷港の近くにある「港の見える丘展望台」から見て、
私がすぐ目に付いたのが、集落のないはずの北側に作られた立派な橋であった。
そこは青年の家に至る道。
立派な橋がいくつかあり、まるで新興住宅街を抜けるような立派な道が造られてい る。
しかしそこを通ってびっくりしたのだが、
まだ使える旧道がその脇にもあるのだ。

いわゆるハコモノ行政で、何もないところに採算度外視でいらん施設をぶっ立てて、
そこに道路も作り、癒着企業と税金を盗んで、浮いた金で遊ぶという、
まさに日本社会のどこにでもある「汚れ」の部分が、
こんな離島にまで及んでいる。

「あそこの道路を作る前に、観光誘致のためにやるべきことがあるのに」
といって口にしたのは阿波連ビーチすぐそばにあるキャンプ場「渡嘉敷村青少年旅行 村」である。
そこはちょうど私も午前中に訪れたばかり。
冬のオフシーズンとはいえ、せっかくビーチそばにある広場やキャンプ場にもかかわ らず、
木のベンチはぼろぼろだし、トイレはぶっ壊れているし、まるで廃墟なのである。

私のような外から来た観光客がぱっと目に付いた場所に、
島人や役所は気づいていながらそっちより金になる公共事業を優先する実態。
最近、いろいろな地方での汚職事件が多発したが、
思うに、都市部より地方の方が、
人間関係も狭く、活動エリアも限られているため、
こうした癒着的、「反社会的」な無駄が多いのかもしれないなと、
改めて考えさせられた出来事だった。

まめやのご主人はこういった。
「来た観光客が島に対する要望をいろいろ言ってくれる。
でも最後はこの一言で終わってしまう。
『別にまた島に来るわけじゃないからどうでもいいですけど』と」

渡嘉敷島西岸および慶良間諸島は2005年11月、
日本のサンゴ礁としてはじめてラムサール条約に登録された。
素晴らしいサンゴ礁が残っていることから、
貴重な自然環境として保護の対象になったのだ。

渡嘉敷島に残っている素晴らしい自然は何者にも変え難い観光資源。
それを有効に活用し、島も活性化し、観光客も貴重な時空を過ごせ、
かつ自然が守れるという、そんな3者のバランスをうまく取ることができれば、
みんなハッピーになれるんだよなと思った。


by kasakoblog | 2007-01-31 23:09 | 旅行記
2007年 01月 22日
テレビを信用する恐ろしい人たち
ほんと信じがたいことだけど、
テレビ番組を鵜呑みにしていた視聴者がこんなにも多かったなんて、愕然とした。
捏造が悪い以前の問題で、こんな低脳な視聴者がいるからこそ、
低脳なテレビが成り立ち、低脳な政治家が成り立つのだろう。

本、雑誌、テレビ、新聞、
どんなものでもそうだけど、鵜呑みにするなんてバカである。
時には嘘八百、とんでもないでたらめが書いてある場合もある。
前回、報道ステーションの古舘君のサラ金・銀行に対するとんでもない間違いを指摘 したが、
別にダイエット番組に限らず、今のテレビ番組は非常にレベルが低い。

ダイエットで問題になったのはつい昨年のこと。
TBSの健康番組で、白インゲン豆ダイエット法を紹介し、
それを試した視聴者が 嘔吐や下痢などを訴え、
電話やメールで寄せられた苦情が650件に上ったという出来事があったばかりにも かかわらず、
今度は納豆がいいと紹介されれば、
“テレビ局が納豆をダイエットにいいと紹介したことで、
全国各地の小売店で納豆の売り切れが相次いでいる。
メーカー各社は増産を急ぐが、依然として品薄の状態が続き、
新聞に「おわび広告」を掲載するメーカーも出るなど異常な事態となっている”
と報道されたのがつい10日前の出来事だ。

ほんと信じがたいんだけど、テレビを見て、
何の疑いもせず、そのまま鵜呑みにして言われた通りにやってしまう人が、
こんなにも多いのか。
ダイエットでこんな騒ぎになるのだから、
それこそニュースとかでもコメンテーターやキャスターの言葉を、
100%信じてしまう輩が相当いるんだろう。

ぜひ鵜呑みにしていた方は、これを機会に疑ってほしい。
「あるあるが信用できなくなった」なんてバカな苦情を言っているようではダメであ る。
「あるある」に限らず、このテレビ局に限らず、
テレビ番組全体、雑誌、新聞、書籍、ネットニュースもろもろ、
真に受けてはいけない。
本当かどうか情報源にあたって確認することとか、
複数の情報源にあたるとか、ネットで調べてみるとか、
そうしたことはなかなか時間がないからできないだろうけど、
だからこそ「これ、本当なのかな?」と疑って見る目が必要だ。

こんなくみしやすい大衆なら911捏造も実に簡単だろうし、
マスコミがやろうと思えば、いくらでも簡単に大衆を煽動できる。
特に怖いのは、この手の情報を鵜呑みする輩は、
アナウンス効果が非常にあり、
自分の手柄のごとくこうした偽ダイエット情報を、
周囲に言いふらして被害を拡大させるから危険だ。

旅行ガイドブックを制作した時のことである。
出版元からは、完全ななぞれるようなモデルコースページを作ってくれといわれ、
首をかしげた。
あくまで誌面は参考で、そのままモデルコースをたどる人なんて少ないのではないか と。
ところが実際はそうではないらしい。
誌面に載せられたモデルコースをまったくその通りに、
トレースして旅する人たちがいるというのだ。

だからちょっとでも時間が違ったりイメージが違ったりすると大クレームになるとい う。
時間やイメージは天候や状況や季節によっても違うわけだけど、
まるっきり一緒でないとそれこそ「捏造記事」と言われかねない。
そのためいっぱい注意書きを付けざるを得なくなる。
「これはイメージです」「道路状況によって時間が異なる場合があります」
「季節によって変わる可能性があります」・・・

マニュアル人間とでもいおうか。
テレビで紹介されたことを、まるっきりモノマネしてしまう恐ろしい人たちだが、
それは受験教育の成れの果てだろう。
言われた通りに答える人間、問題に1つしか答えがないという中で育てられ、
こうした試験に暗記した通りに答えられれば合格という、
おかしな人間を育てている教育の成果が、
与えられた情報に疑問も抱かず、確認もせず、
まるっきりその通りにやってしまうという信じがたい行為に出る。

教育改革はその意味で必須なのだが、
根本的な受験制度や偏差値学歴制度を変える気配はまったくない。
今の教育改革では単に試験に出る暗記量を増やすために過ぎず、
教育の質の転換、社会に通用する人材の育成という観点からは程遠いものだろう。

円周率を3と覚えるか、3.14まで覚えさせるかという、
そういうことで学力向上だのゆとり教育の弊害だのと、
愚かな議論を真剣にしているおぞましさ。
日本は総白痴化をめざして、邁進している。


by kasakoblog | 2007-01-22 23:26 | マスコミ
2007年 01月 01日
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by kasakoblog | 2007-01-01 02:06 | お知らせ
2007年 01月 01日
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by kasakoblog | 2007-01-01 02:05 | お知らせ