解散報道に学ぶメディアリテラシーの身につけ方
2009年 04月 08日
一部ファンの反応の仕方を見ていて、
「こりゃ、今後もメディアに騙されるな」と危惧を感じたので、
今回の解散報道騒動をめぐる、私なりの「正しい」対処の仕方、
メディアとのつきあい方をアドバイスしたい。
・危険な対応1:解散なんてあり得ない!
記事も読まずして、
自分の大好きなミスチルが、解散するわけがない!
気持ちはわかるが、メディアリテラシー(利用能力)は低い。
解散なんてあり得ないと言えるのは、
メンバー自身だけであり、
あり得ないというのは、
自分にとって都合の悪い情報や嫌な情報を、
真実に目を向けることなく、シャットアウトする、
いわば「逃げ」の行為だ。
気持ちはわかるけど、
自分に都合のいい思い込みで情報を判断するのは、
間違った認識をしかねない。
まずは情報源を確認すること。
あり得ないと思い込まず、
週刊誌を買うのではなく立ち読みして、
それで判断すべきだと思う。
嫌な情報を聞きもせず遮断してしまうのは、
下手をするとミスチル好きから、
ミスチル嫌いになりかねない。
もし解散が本当だった場合、
「ミスチルに裏切られた」みたいな、
おかしな感情を抱く恐れもある。
耳を塞ぐのではなく、うさんくさい情報でも、
もし気になるのなら、
真実(Any)かウソ(フェイク)か、
自分のこの目で確かめること。
それがミスチルの音楽が訴え続けてきたメッセージではなかったか。
・危険な対応2:週刊誌は全部ウソ
これもよくあるシャットアウト型対応である。
週刊誌の情報は全部ウソ。
テレビの情報は全部ウソ。
こういう態度は自分を納得させやすいが、
あまり好ましい態度とはいえない。
今の世の中、何が真実で何がフェイクか、
非常にわかりにくい世の中になっているからだ。
NHKだって大誤報をするし、
週刊誌だって時に有用な記事を書くこともある。
これは正しい、これは間違いという、
紋切り型の対応ではなく、
個別記事を見て1つ1つ自分なりにその真偽を判断していくことが、
ウソにまみれた世の中だからこそ必要な態度ではないか。
週刊誌だからウソという人に限って、
ウソだらけの古舘キャスターの言葉を全部真に受けたり、
政府の言うことを全部信じてしまう人が多い。
疑ってかかることは大事だが、
真偽を見極める前に答えを決めつけるやり方は、
犯人でないのにこいつは犯人だ決めつけて捜査する、
冤罪捜査と同じ愚を犯していることに気づくべきだろう。
・危険な対応3:週刊誌を買ってしまう
前述の1、2の対応より、
まずはその記事を確認してみようという態度はいい。
ただそれを買ってしまうというのはどうかと思う。
なぜ「解散」という見出しを出して売っているのか、
情報発信源の狙いを考えたら、
まともなミスチルファンだったらまず買わないと思う。
もしミスチル解散記事のおかげで、
この号だけ週刊誌が売れたら、
週刊誌はまた同じ手をやってくるだろう。
「記事の中身がいい加減でも、
ミスチルファンはバカだから、
解散報道すれば売上のびるぞ」と。
マスコミに客観中立はあり得ない。
何らかの意図や狙いをもって情報発信している。
その意図や狙いを考えて、
自分はどう対処するのが好ましいのか、
考えて行動して欲しい。
ミスチル公式ホームページが、
わざわざ週刊誌報道についての否定コメントを出したのは、
今回の「解散」報道で右往左往するファンが多かったからだと思う。
私も記事を読んでたいしたことなかったので、
スルーしようと思ったが、
見出しだけみて極端に心配する人、
まったくあり得ないと決め付ける人が多いのを見て、
ファンサイトを運営する立場として、
私がこの記事をどう考えているのか書いた。
今回の騒動を機に、メディアとのつきあい方を考えてほしい。
メディアがバカだとしても、
われわれはメディアがなければニュースを入手することはできず、
多少なりともメディアとはつきあっていかなければならない。
メディアの情報の真偽を見極める目を持ちながら、
メディアをうまく利用し、生きていくことこそ、
ミスチルの歌詞に随所にちりばめられている
メッセージではないかと思う。
ミスチルファンなら、ミスチルの歌詞を見れば、
そのようなことは私が言わなくてもわかっていると思うが。
<メディアリテラシーを身につけるために>
・見出しや人づての話だけで判断せず、
自分で情報の原典にあたる
・はじめから情報の真偽を決めつけない
・取材に基づく事実部分と、
それをもとに書いた憶測内容部分をわけて考える
・情報発信元がなぜこのような情報を発信したのか、
その意図や狙いを考えてみる
※この情報によって誰が儲かり誰が損するのかを、
考えるとわかりやすい
・複数の情報源にあたる
今回の解散報道騒動を契機に、
今後このような報道が出ても、
冷静に真偽を見極める目を、
多くのミスチルファンが持って欲しい。
そのためのアドバイスになればと思う。