田代島猫
2006年 12月 18日
田代島の猫写真アップ
http://www.kasako.com/06tashirofoto1.htm
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猫神社があり、猫を奉っている島があるのをご存知だろうか。
もちろんこの猫島なる田代島には、ノラ猫が多く、
(飼い猫はほとんどいないらしい)、
みな親切に魚やエサを与えて大事にしている。
猫好きにはたまらない猫の聖地ともいうべきこの島は、
人口約120人、わずか2.7平方キロメートル程度の
小さな小さな島である。
暮らしを支えているのは漁。
そんな魚をとって生計を立てているこの島で、
魚を食らうノラ猫を天敵として追っ払わず、
猫をむしろ「大漁をまねく」縁起のいい動物として大切にしているのは、
ある意味では驚くべきことかもしれない。
それは物の豊かさはもちろん、心の豊かさがあるからできること。
魚が好きな猫にもいっぱいあげても大丈夫なぐらい豊漁で、
ともに喜べばいいじゃないか。
魚好き同士、仲良く海の恵みを分かち合えばいいじゃないか。
たかが猫が食う魚の量なんてしれている。
少しぐらいわけてあげたっていいじゃないか・・・。
猫を大切にするこの島の心は、
今の社会のあり方を大いに考えさせられるなと思った。
誰もが敵で、競い合い、奪い合い、勝つことがすべて。
他人より、他社より、他国より、限られたパイを奪われることばかりに腐心し、
地球という限られた資源をみんなでともに分け合おうという、
「共生」という概念がまったくない。
だから、戦争や犯罪、詐欺的商法、悪徳商法がなくならない。
だから、人の心が貧しい。
家庭崩壊、学校崩壊、企業崩壊、地域崩壊、社会崩壊、国家崩壊・・・。
猫島の叡智を見習って社会のあり方を考え直した方がいいんじゃないか。
ふと、そんなことを考えさせられた。
ただ、この島、犬禁制なのである。
犬を飼うことはおろか、観光客が持ち込むことすらダメだという。
猫を大事にしているから犬がダメというより、
昔から犬は縁起の悪い動物とされているかららしい。
そのような「差別」があるので、田代島が社会の理想郷とは言い難いかもしれないけど、
漁で生計を立てる島が、猫を大切にするというのは、
多分、心の豊かさなのだろうなと思った次第である。
島ねこ写真目次
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