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普通の定義って何?:フツー人3

フツーっていったい何なんだろう?
とヒロミは考えてみた。
フツーって言葉ほどあいまいなものはない。
ある人はヒロミのことをフツーといい、
ある人はヒロミのことをフツーでないという。

何をどうするとフツーになり、
何をどうするとフツーでないのか。
フツーのヒロミにはさっぱりわからなかった。

いろんな人に「フツーの定義って何ですか?」
って聞こうと思ったけどやめた。
そんなこと聞いたらヘンな人に思われてしまう。

おっ、そっか!
ヒロミはひらめいた。
「フツーの定義って何ですか?」
っていろんな人に聞いて回るのがヘン、ということは、
そんなことする人は間違いなくフツーじゃない、
ということではないか。

でもフツーじゃない定義をするのに、
「フツーの定義を聞き回る人」と答えるのは、
なんだかややこしい。

フツーってどんな時に使うだろうか。
親や先生や友人などからさんざん言われてきた、
「ヒロミくんはフツーだから」。
このフツーの意味がわからない。

そうではなくて一般的に使われている用法はどんなものだろう。

普通席
普通郵便
普通自動車免許
普通預金
普通解雇
普通救命講習?

ネットで「普通」と入力すると、
こんな単語が出てきた。
フツーであることは何ら悪いことでもないし、
コンプレックスを持つことでもないようだ。
ただ普通席があれば特別席があり、
普通郵便があれば特別郵便があるように、
なんだか劣っているような感じがしないでもない。

では一体フツーって辞書で調べると、
なんて書いてあるのだろう?

■普通(名・刑動)
1:いつでもどこにでもあって、めずらしくない・こと(さま)。
2:ほかとくらべて特に変わらない・こと(さま)。
3:特別ではなく、一般的である・こと(さま)。

ヒロミのフツーコンプレックスは、
2の「ほかとくらべて特に変わらないこと」と、
3の「特別ではなく、一般的であること」が、
どうやら原因のようだ。

しかし辞書の漠然とした定義だけ読んでも、なんかしっくりこない。
ほかとくらべてって何とどのぐらい比べればよいのか。
特別って何?一般的って何?
ヒロミの疑問はつのるばかりだった。

そこでヒロミはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で、
「普通」を調べてみた。
ウィキペディアに「普通」なんていうフツーな言葉が、
項目としてあるとは思えなかったが、
なんと、そのものズバリ「普通」があった。
しかもヒロミの思いを代弁する説明が、
いきなり書いてあった。

■普通
人おのおのである。「自分は普通でありたい」と願う者がいる一方で、
「自分は普通と違っていたい」と望む者もいる。
「普通の人が好き」な者もいれば、
「普通じゃない人間との付き合いの方が楽しい」という者もいる。

そうそう、それそれ!
ヒロミがこの20数年間、悩み続けてきたことが、
ウィキペディアのはじめに書かれていた。

ヒロミはどこかで「普通でありたい」と思っていた。
一方で「普通と違っていたい」という思いも抱いていた。
まさにヒロミの心の叫びが、
ウィキペディアに書かれていたのは、
運命的のようにも思えた。
さらに、興味深いウィキペディアの「普通」解説の続きを読む。


何をもって「普通」とするかは、
時代によって、文化によって、集団によって、
状況によって、それぞれ異なる。
2007年時点の日本において、
高校生が携帯電話を所有する事は普通になったが、
1990年代の中頃までは普通ではなかった。
(中略)
ビジネスマンにとってのスーツの着用は、
仕事中なら「普通」であるが、
自宅のベッドで就寝する際だと「普通ではない」。


確かにおっしゃる通り。
誰が書いたんだが知らないけど、
あなたは素晴らしい。
そう、「普通」っていうのは、
きっと変わるものなのだろう。
ヒロミはどんな集団でもどんな時代でも、
たいてい「フツー」に見られていたけど、
ヒロミのことを「フツーじゃない」と見る人も少数だがいた。

ようは、捉え方次第なのだ。

(つづく)

by kasakoblog | 2009-07-07 21:57

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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