あの子が町から突然消えた
2009年 07月 08日
町から突然消えた
名前しか知らないあの子が
僕の前から突然消えた
いつでも会える、と思っていた
こんな形で別れが来るなんて
思いもしなかった
あの子に会いたい
もう一度、会いたい
でも、知っているのは名前だけ
当たり前のように会っている時に
なぜもっとあの子のことを
聞かなかったのだろう
なぜもっとあの子と
話をしなかったのだろう
名前しか知らないあの子に
この広い世の中で
再び会える確率はほとんどないと思う
もっと話をすればよかった
もっと話を聞いてあげればよかった
人は出会えば、いつかは別れるもの
そんな当たり前のことを
今さら気づいた
出会っていた時に
なぜもっと大切にしなかったのだろう
出会っていた時に
なぜもっと優しくしなかったのだろう
すべては後の祭り
嘆いても、あの子は戻らない
この広い世界の中で
ドラマみたいに
偶然再会できるんじゃないかと
信じている
でもそんな偶然、起きるはずはない
あの子はきっともうこの町には戻ってこない
だから突然、町から消えた
あの時こうすればよかった
出会った時間を
もっと大切にすればよかった
ただ思うのは自分への後悔だけ
もしも願いがかなうなら
七夕の短冊に
あの子と再会できることを託したい
たった1度、織姫と彦星が出会うように……