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なぜ日本は戦争へ突入していったのか

日本はなぜ無謀とも思える戦争に突入してしまったのか……。
今から思えば不思議なことだが、
なぜそんなことをしてしまったのか、
私なりの考えをまとめてみた。
将来、不幸な戦争を起こさないためには、
まず、過去の過ちを見つめ直すことが大事ではないだろうか。

<前提条件:国内矛盾と対欧米意識の先鋭化>
①明治維新からの“跛行的近代化”
体と心がついていかないまま、
急速に近代化・工業化・欧米化を推し進めたため、
様々な国内矛盾や社会問題が生じてしまった。

②欧米列強に対する強烈なコンプレックス
欧米に不平等条約を押しつけられた劣等感。
欧米に追いつけ追いこせという焦燥感。
欧米に勝つためには、
日本という狭い国土では限界があり、
アジアを侵略することで、欧米と肩を並べようとした。

<戦間期(1919~1939年)の思想>
①農本主義
・・・農村疲弊の苛立ちが軍国主義と結びつく。
急速な近代化・工業化・都市化により、地方の農村が疲弊。
農業の再建こそ理想社会改革の第一歩と考える思想が浸透。
しかし、一度、工業化した社会を農業中心に戻すのは不可能に近い。
理想的な農業共同体建設が失敗し、
農業復興が果たせない苛立ちから、
財閥や既成政党が悪いと考え、
彼らを抹殺する軍国主義的テロリスト
=ファシストの活動と融合していく。

②ファシズム思想・現状破壊派
・・・軍国主義が天皇至上主義へと結びつく。
社会の諸悪の元凶を財閥・官僚・政治家と考え、
暴力によって抹殺する活動が活発化。
たとえば井上日召の一人一殺主義など。
ファシスト=テロリストたちは現状の破壊を担当。
「破壊」さえすれば、
天皇が理想的な社会を「建設」してくれるはずと期待し、
破壊活動を繰り返していった。

③ファシズム思想・総力戦体制構築派
・・・国内問題解決には対外戦争しかないと考える軍国主義思想。
悪いのは欧米主導の世界。
いずれ欧米列強と戦争で決着をつけねばならない。
だからまず日本はアジアを制するべきだという対外膨張論。
石原莞爾の「世界最終戦争論」など。

<国民に戦争を正当化させる精神装置>
①格差拡大(縦関係の肥大化)と究極的価値(天皇)への直属性
江戸時代の身分固定社会から、
急速な近代化による格差拡大が起き、
特に地方や農村などが疲弊。

財閥・官僚・政治家という“中間層”が、
国民の富を収奪しているとの反発から、
悪の元凶となっている財閥・官僚・政治家を排除する
ファシズム思想が台頭。

国民と天皇は直結しているという、
天皇至上主義を国民の不満をそらす精神的支柱にすえることで、
天皇のためなら残虐・侵略行為をもいとわない、
国民による軍国主義が台頭した。

②抑圧移譲の論理
国民は欧米には負けているという劣等感を常に抱えている。
欧米に抑えつけられているという閉塞感を覚えている。
この劣等感や閉塞感という不満を、
自分たちよりも「下」の存在である、
アジアに向けさせた。

欧米からいじめられているその鬱憤(うっぷん)を、
アジアをいじめることで晴らすという、
抑圧移譲の論理が国民に働き、
対外侵略を正当化させていった。

<戻るに戻れない敗戦という帰結>
国内の社会問題への不満を対外戦争にふりむけ、
領土拡大による富の収奪によってしか、
日本の未来はないというレールを敷いてしまったがために、
戦争が泥沼化し敗戦が濃厚になったとしても、
今さら戦争をやめましたとはいえず、
国家自体が玉砕化への道を進んでいった。

上記の分析には非常に稚拙な点もあるかとは思いますが、
私の考えが正しいとか正しくないとかはともかくも、
終戦というこの日に、
あの戦争とは一体何だったのかを、
考えるきっかけになればと思います。

参考図書
丸山眞男著「現代政治の思想と行動」

戦争遺産をたずねる
http://www.kasako.com/wartop.html

by kasakoblog | 2009-08-15 23:54 | 政治

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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