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旅とは筋書きのないドラマ

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なぜ旅に出るのか。
時間もお金もかかるし、面倒も多いのに。

それは、旅が筋書きのないドラマだから。
偶然性、意外性あふれる実体験。
予定調和に多い尽くされた社会の中で、
数少ない想定外のことが起きる物語だから。

今日、旅について取材を受けた。
私は仕事では取材する側。
話を聞くことはあっても、
自分の話をする機会は少ない。

私は仕事上に限らず、
プライベートでも聞き役に回ることがほとんどだ。
いろんな人の話を聞くのが好きだから、
というのもあるけど、どちらかというと、
話し下手で聞き上手タイプだと思っていたから。

久々に取材を受ける側にまわり、
旅についていろいろと質問を受けて、
それについて話をしたんだけど、
話をすることって、
自分でも気づいていないことを思い出したり、
自分のこれまでやってきたことを
見直すことができたりして、
とても有意義な体験なんだなって思った。

人に話してみることって大事。
話すことで自分の考えがまとまったり、
整理したりすることができるから。

先日、デザイナーさんといろんな話をしていて、
その方がこんな話をしていた。
「最近の映画や本はおもしろくない。
だってタイトルとか見ただけで、
見る前からほとんど内容がわかっちゃうから」

私はそれについてこう答えた。
「映画も本も読者が期待する予定調和な結末でないと、
受けない世の中なんじゃないでしょうか。
泣きたい映画を見たい人には、
悲しい結末の映画だとタイトルなどで、
ネタバレしてわからせて、
その期待通りに主人公を死なせて、
視聴者を泣かせなくてはいけない。

ハッピーエンドな映画を見たい人には、
そういう結末の映画ですよとタイトルなどで匂わせて、
どんなにあり得なくても必ずハッピーエンドにする。
予定調和なストーリーを見ることで、
視聴者はすっきりしてストレス発散ができるのでしょう」

マニュアルやシミュレーション技術が発達し、
何事も思い通りに事が運ぶ予定調和社会に慣れた人たちは、
両極端の反応をする。

1つはどんなものにも予定調和を求める。
もう1つは予定調和ではないものを求める。

きっと私が旅に出るのは、
予定調和という名の日常の罠から脱したいから。

旅に出ると、何が起こるかわからない。
自分の思い通りにいかないことだらけで、
想定外のことが次々と起こる。

おもしろいことも、ムカつくことも、
日常生活とは違って、
そのメリハリが倍加して起こるから、
山・谷がはっきりしている。

だから山の頂上は高くておもしろいし、
谷の底は低くて超ムカついたりして、
予定調和な日常社会では感じられない、
喜怒哀楽の強弱がはっきりつく。

予定調和じゃないことを楽しいと思うか、
イヤだなと思うかは、人それぞれの価値観次第。
ただ私は予定調和じゃない、
非日常の空間・体験を味わいたいと思う。

だからきっと何度も旅に出る。

そんなことを気づかせてくれた取材だった。

かさこワールド旅コンテンツ
http://www.kasako.com/traveltop.html

by kasakoblog | 2009-09-12 21:00 | 旅行記

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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