これまでの自民党政権はそんな政治家ばかり。
だから内閣が発足した時点で、
政治家は満足してしまう。
それで個人的な名誉欲を達成できたわけだから、
大臣になってからのことなんて、極論すればどうでもいい。
だから官僚まかせに政治が行われてきた。
昨日の大臣の記者会見。
これまでとはまったく違う。
単に官僚のペーパーを読まないとか、そんなんじゃない。
大臣になって喜び、それで満足しているのは、
亀井静香と福島みずほぐらいではないか。
あとの大臣は大臣になったからといって、
喜んでいる風な感じはない。
むしろ大臣になってどこまでできるか、
気を引き締めている感じがした。
大臣に限った話ではない。
どんな職業でもそうだが、
「何になりたいか」ではなく「何をやりたいか」が重要だ。
憧れで職業を選ぶことも必要だけど、
その職業になってやりたいことがなければ、
なっただけで満足してしまう。
例えば「作家になりたい」という人が多い。
しかし、作家になって、
何を書きたいのか?何を訴えたいのか?
表現したいものがない人も多い。
結局、作家になりたいのは、
「楽して儲けられそうだから」「かっこよさそうだから」
「文章書くだけで金がもらえるから」
といった理由が多いのではないか。
そんな人は作家にはなれないし、
運良く作家になったところで、
すぐ“廃業”するだろう。
だって作家になってやりたいことがないんだから。
政治家も同じ。
大臣になりたい、総理になりたいという、
権力欲だけの政治家が多すぎた。
しかし、今回の民主党政権は大きく違いそうだ。
記者会見でぼんぼんはっきりした言葉が出てくる。
「八ッ場ダム工事は中止する」
「アニメの殿堂は中止する」
「後期高齢者医療制度を廃止する」
「公立高校の無償化を来年度に実施したい」
「核密約は徹底調査する」
「ガソリンの暫定税率廃止し、ガソリンを値下げする」
大臣になりたいことより、
こんな政策を実現したい。
そういう思いで政治をしている人が、
自民・公明政権に比べて、はるかに多い。
麻生みたいに安倍を引きずりおろし、
福田を引きずりおろし、
何が何でも総理になりたい人は、
なった後にビジョンがない。
自民党でも小泉総理が圧倒的に国民に支持されたのは、
何をやりたいかがはっきりしていたからだと思う。
当たり前といえば当たり前なんだけど、
これまでの日本の政治は、
当たり前のことがなされてこなかった。
だからムチャクチャになった。
「なりたい」からその職業に就くのではなく、
「何かをやりたい」からそれができる職業を選ぶ。
そうすれば、社会は良くなるんじゃないかと思う。