会社が潰れたらどうする?
2009年 09月 18日
今の成長業界に入っておけば、一生、大丈夫。
そんな風に思っている人が若い人にも多いことに驚く。
会社も業界もだいたい30~50年で潰れます。
一生、今の会社・業界にいれば大丈夫なんて思っていたら、
間違いなく痛い目にあいます。
東証1部上場のサラ金大手アイフルが、
業績不振のため銀行に返済猶予を申し出た。
大幅な店舗縮小、人員削減により、
事業縮小による再建を模索するという。
私がアイフルに就職したのは12年前のこと。
あの時、アイフルは数少ない超高成長企業だった。
このまま行けば、大手メガバンクに匹敵する、
金融グループになるのではないかとも思われた。
私が就職した時、すでに社員が3000人もの大企業になっていた。
私は2年ちょっとでアイフルを退職した。
その時、もったいない、という声も聞かれた。
「かさこさん、アイフルで営業成績いいんだから、
辞めずに会社にいれば、最年少課長とかになれるかもしれないのに」
私もそう思った。
アイフルにいれば、きっと10年後、20年後には、
昇進して管理職ポストにつき、
安定した高収入を得ているのではないかと。
ただ私は収入より旅に出ることを選び、
帰国後は編集・ライター業界の道を選んだ。
収入は大幅ダウンだし、労働環境もいいとは言えないが、
好きな仕事をできる満足感もあり、
今では高くはないが、それなりの収入を得ることができている。
もし私がアイフルに残っていたらと思うとぞっとする。
アイフルは潰れるわけではないが、
有人店舗、無人店舗問わず大幅縮小し、
希望退職も数百人規模を募り、
いわば“安楽死”に向けて、
徐々に事業を整理していくのだ。
私がアイフルに新卒からずっと働き続け、13年いたとして、
34歳の私がこんな状況に追い込まれたらどうなるか?
サラ金のノウハウを生かせる職場はそう多くはない。
サラ金業界全体がダメなんだし。
かといって異業界への転職は難しい。
できることといったら、
不動産融資の審査と電話回収(取り立て)ぐらい。
そんな半端な知識や実務では転職も独立も無理だろう。
はっきりいってヤミ金になるぐらいしかない(笑)。
いや、マジの話。
アイフルの例を挙げるまでもなく、
成長企業・成長業界と言われていたのに、
10年たったら衰退企業・衰退業界に変わっていた・・・。
こんな恐ろしいことが、
今、どんなに安泰で優良な企業・業界にも起こりうる。
たとえば大手広告代理店やテレビ局、新聞社など、
人気の高い大手マスコミが2~3年後にぶっ潰れる可能性がある。
石油自動車がなくなり電気自動車になれば、
ガソリンスタンドも石油自動車しか作れない、
大手自動車メーカーもぶっ潰れるかもしれない。
ネットスーパーが当たり前になれば、
コンビニだって潰れるかもしれない。
会社にいれば安心、
この業界にいれば安心という時代はもう終わった。
会社内での評価が高くても、
会社が潰れて社会に放り出された時に、
他の会社でも通用する技能や、
自力で金を稼ぐスキルがないと、
生きていけない時代になっている。
それを「政治が悪い」「時代が悪い」「社会が悪い」
といったところで、誰も助けてくれやしない。
アイフルが私的整理というのは、
私にとっては自分がかつて働いていた会社だけに、
大きな衝撃を受けた。
今の会社にいれば大丈夫とか、
この業界にいれば大丈夫みたいな依存心を一度見直し、
万が一、会社が潰れたり、
産業構造の転換で業界自体が衰退した時に、
自分は何ができるのか、
どんなスキルや知識があるのか、
今一度、考え直してみるといい。
逆に、会社に頼らなくても、
生きていける力を身につけておけば、
会社に縛られず、何があっても生きていけると思う。
アイフル元社員の激白
http://blog.livedoor.jp/kasakot/