サラ金に対するよくある誤解
2009年 09月 27日
ありえません。
なぜなら商売にならないからです。
返せない人に貸したら、
サラ金が銀行にお金を返せなくなってしまいます。
大手サラ金だろうが、ヤミ金だろうが、
返してもらってなんぼの商売。
返せない人に貸しているわけがない。
ただなぜ金を返せない人が出てくるかというと、
失業したり、給料が減らされたり、
ヤミ金などヤバイところで借金したりと、
貸す時点での収支状況と変わってしまうからです。
・サラ金利用者は生活困窮者が多い?
実感としてはそんなに多くないと思います。
本当にお金がなくて生活に困っている人に、
残念ながらサラ金はお金を貸しません。
なぜなら金を返す見込みがないから。
商売にならないから。
サラ金は生活困窮者を救う慈善事業ではないので、
本当に困っている人には貸せません。
よく「サラ金がなくなると生活困窮者が困る」
とか言う人もいますが大いなる誤解です。
生活困窮者はサラ金では救えないし救わない。
それはサラ金に期待することではなく、
行政に期待することです。
・サラ金を無くしたいならギャンブルを禁止すること
「サラ金なんかあるからいけないんだ!
無くなればいいんだ!」という人がいます。
サラ金をこの世の中から無くすには、
競馬、競輪、パチンコなどギャンブルを全面禁止すること。
株やFXなどの投資も禁止した方がよいでしょう。
サラ金だけ無くしてもヤミ金はなくならない。
なぜならニーズがあるから。
ニーズ、すなわちサラ金利用目的の多くが、
ギャンブルや投資絡みです。
利用目的のギャンブルや投資自体がなくならない限り、
サラ金をなくすことはできない。
サラ金なんかいらないというなら、
ギャンブルを禁止することが先決でしょう。
ギャンブルがこの世からなくなれば、
サラ金利用者は激減するでしょう。
しかしギャンブルをこの世の中から無くすことができるでしょうか?
ギャンブルがなくならなければ、
サラ金はなくなりません。
・サラ金より恐ろしい住宅ローン
「30%もの高利で貸しているサラ金が悪い」と
よく批判する人がいますが、
10万円を30%で借りるリスクと、
3000万円の住宅ローンを2%で借りるリスクは、
あまり変わりないと思います。
いやむしろサラ金で10万円借りるより、
3000万円もの大金を30年にわたる返済期間で借りる方が、
生活設計上はかなり危険です。
終身雇用と年功序列が崩壊しかかっているのに、
30年間、毎月大金を支払う住宅ローンの方が、
借金のリスクという意味ではサラ金の比ではありません。
実際にサラ金にかけこむのは、
住宅ローンの支払いがおかしくなる人が多いです。
給料が上がらなかった、ボーナスがでなかった、
失業してしまった、でも住宅ローンは払い続けなければならない、
自宅は絶対に手放したくない、
だからサラ金から借りてその場をしのごうと・・・。
金利の高低だけで借金のリスクを測るのではなく、
借金の金額、返済期間を考えなければいけないと思います。
・サラ金を否定すると資本主義の否定になる
サラ金を否定することは最終的には資本主義を否定することになる。
企業のほとんどが銀行から借金して商売している。
国民の多くが多額の借金をして住宅ローンを抱えている。
この借金の大元がなくならない限り、
サラ金はなくならない。
企業が無借金経営のみで、国民もローンを組んではいけない。
そうなればサラ金のニーズはなくなる。
しかし、借金という仕組みを利用した、
資本主義経済は残念ながら社会構造の隅々に渡ってしまっている。
サラ金が悪くて住宅ローンは悪くないのか。
サラ金が悪くて事業者ローンは悪くないのか。
結局、今の世の中、みんな借金資本主義経済なんです。
日本やアメリカは多額の借金によって成り立っている国家です。
借金禁止になれば、世界経済は破綻します。
残念ながら資本主義とは、借金依存主義経済なんです。
2008年に金融危機が起きたことで、
行き過ぎた金融資本主義=借金資本主義が
見直されることになりました。
サラ金がこの世の中からなくなるには、
究極的には資本主義経済という仕組みを
見直さなければならないでしょう。
つまりサラ金問題とは、
それだけ根が深いものなのです。
金利制限だけしたところで、
多重債務者がいなくなる理想社会は訪れないということです。