2009年 10月 06日
住宅ローンのボーナス払いが破綻への道
サラ金で少額を高金利で借りるより、
低金利とはいえ住宅ローンで、
多額の借金を長期に借りる方が危険と以前の記事で書いた。

なかにはこれについて疑問を持ついる人がいるようだが、
景気悪化により住宅ローンの返済計画が狂い、
サラ金に手を出し破綻する人が増えている気配がある。

<住宅ローンからサラ金に手を出すパターン>
・ボーナス払いの恐怖
住宅ローンで絶対にやってはいけないのがボーナス払いだ。
少しでも借金を減らしたいがゆえに、
毎月返済以外にボーナス払いを組み込んでいる人も多いだろう。

しかしこれが返済計画を狂わせる、
最も大きな原因のひとつだ。
日本は今、中国やインドのように、
毎年7~10%もの経済成長をする国だろうか?
否、である。
この先もそんなことはまずないだろう。

こうした日本経済の状況のなかで、
バブルと不況の波を3~5年おきぐらいで繰り返している。
バブルの時はがっつりボーナスが出るからいい。
しかし不況になって真っ先に減らされるのがボーナスだ。

ボーナスが減らされる、なくなると、
ボーナス払いの住宅ローン返済が行き詰るのは自明だ。
しかし、なんとしてでも返済しなければ、
家がなくなってしまう。

そこでこう考える。
もう少し我慢すれば、いつか好景気になって、
ボーナスも元の通りの額になるだろう。
ここは一時しのぎのために、
やむを得ないがクレジットカードのキャッシングをしようと。

カードのキャッシングはサラ金並みの悪徳高金利である。
不景気の最中、ボーナス額がすぐにアップするなんてまずない。
そこで当然、返済が苦しくなり、
別のカードでキャッシングしたり、
さらにはサラ金でつまんだりして、
典型的な自転車操業に陥る。

もう後は雪だるまのように転げ落ちていくだけだ。
借金返済のための借金を重ねていき、
借金だけが膨らんでいき、最後は破綻する。

住宅ローンのボーナス払いが多重債務者の原因なのに、
一般人やマスコミはそういうからくりがわからない。
だから決まってこういうのである。
「高金利のサラ金が悪い」
もしくは、
「サラ金なんかに手を出すバカが悪い」

まあ両方とも当たっているわけだけど、
なぜ高金利のサラ金に手を出してしまわざるを得ないのか、
その原因が住宅ローンのボーナス払いにあることを指摘する人は少ない。

この手のパターンによる債務者破綻は、
低所得者とかギャンブル依存者とかではなく、
そこそこ所得のある普通に生活を送っているサラリーマンなのだ。
つまり「自分は大丈夫だ」とは言ってられないのである。

私も10年前だかアイフル時代、
ボーナス払いでつまずいたサラリーマンの何人かに、
出会ったことがある。
本来ならサラ金なんかに一生縁のない人が、
サラ金の門をくぐってしまうのは、
実に忍びない思いだ。

ここではボーナス払いの例をあげたが、
ボーナス払いをしていなくても、
毎月の住宅ローン返済につまずき、
サラ金に手を出す人も多い。

不景気で給料が減らされた。
不景気で妻が失業した。
こうした不景気による収入減に、
住宅ローンは対応できない代物なのだ。

・住宅を売っても借金が返せない?!
しかしここでこういう人もいるだろう。
「別に住宅ローン返せなくなったって、
家を売れば借金返して再スタートできるんだから、
いいじゃないか」
「サラ金と違って住宅ローンは担保とってるんだから、
サラ金のあくどい取立てはないじゃないか」

本当だろうか?
まず、不景気になった場合、
必ずといっていいほど住宅価値は下がる。
マンションも価格破壊が起きる。
地価は下がる。
つまり返済のあてにしていた自分の不動産価値が、
不景気になると値下がりしてしまうのだ。
(これは今もまさに起きている現象)

住宅ローンの借金に利息も加わり、
不動産売買にかかわる多額の手数料をある。
にもかかわらず、不動産価値は値下がりしている。
不景気だから買い手がなかなかいなくて、
値下げせざるを得ない。
そんな時、一時しのぎに利用した、
サラ金やカードキャッシングの借金までも加われば、
家を売っても借金が全額返せないという、
破滅の道が待っているのだ。

サラ金批判に「生命保険に入らせ命まで担保にとっている」
とよくいわれるが、
住宅ローンこそまさに命を担保にとっている。
団体信用生命保険である。

住宅ローンを組む際には生命保険に入らされる。
万が一、ご主人が亡くなったら、
残された家族が困らないよう、
保険金を借金返済にあてましょうというものだ。

サラ金の取立てが厳しいから、
自殺してしまう人が多いとか、
サラ金は命を担保にとっているから、
取立てが厳しいというけど、
別にサラ金に限ったことではなく、
低金利の住宅ローンだって同じこと。

不景気で住宅ローンが行き詰まり、
死ねば保険金がおり家族が助かる。
別にサラ金に限った話ではない。
住宅ローンだって命を担保にとっているのだ。

ところが一般人やマスコミは、
自殺した人がサラ金の借金を抱えていただけで、
「自殺したのはサラ金のあくどい取立てのせいだ」と一元化する。

もちろんそういう部分もあるケースもある。
しかしそれだけではない。
住宅ローンの返済に行き詰ったからこそ、
サラ金を利用してしまったり、自殺してしまったりするのだ。

サラ金だけバッシングしたところで、
住宅ローンの恐怖がなくならない限り、
借金による悲劇はなくならないだろう。

国の住宅政策を根本的に考え直さねばならない。

・・・
ちなみに私は住宅は国が国民全員に支給すればいいと思っている。
人口は減少して国土面積は変わらないのだから、
理論上は可能なはずである。
国民に住宅ローンがなくなれば、
サラ金なんか利用する人は激減するし、
可処分所得が増えて消費に回るだろうし、
万が一、失業しても、
ホームレスになることもなく、
再スタートの拠点だけは確保できる。

いろいろ問題はあると思うが、
国民への住宅無償提供こそ、
サラ金問題根絶の大きな政策だと思う。

まあただ住宅の無償化政策なんて、
できるかはわからないので、
現実的な対応としては、
1:住宅ローンでボーナス払いは絶対にしない
2:住宅ローンこそ無理のない返済計画を
3:好景気時に住宅は買わない
4:なるべく頭金をためる
5:ボーナスなどまとまったお金は繰り上げ返済して、
できるだけバカらしい莫大な利払いを減らしていく
ことだと思います。

アイフル元社員の激白


by kasakoblog | 2009-10-06 22:32 | 金融・経済・投資


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