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社宅での思い出

小学校5年まで社宅に住んでいた。
両親が共働きだった私は夏休みになると、
昼食が困るので、毎年のように社宅内の近所の人に預けられた。

よく預けられた家は、私より3~4歳下の子がいたところ。
昼食を食べた後、
そこの子供と決まって遊ぶのはレゴブロック。
ここの家にはたくさんのレゴがあり、
毎日のように何かを作っては遊んでいた。

ただすごくいいパーツというのが限られていて、
取り合いになったりもして、
なぜか2~3時間レゴで遊んだ後は、
必ずといっていいほどそこの子とケンカになり、
最後は泣かすというパターンが多かった。

今、考えれば、昼食までご馳走になり、
さんざん家で遊んだ挙句、
そこの家の子を泣かすとは大人気ないなと思いつつ、
まあそれが子供の世界なのだから仕方がないのかなと。

その家の都合が悪い時は、
親が共働きのため、家で一人留守番をして、
親が朝作ってくれたものを、
昼になってあたためて食べていた。

あのわびしい感覚は今でも忘れない。
当時はまだ電子レンジが出たてのせいか、
あたためても大しておいしくはならないんです。
そんな中、テレビを見る以外やることもなく、
小3が家で一人、ごはんを食べるのは、
ものすごく切なかったのを覚えている。

そんな切ない思いを打開したいと思ったのか、
毎度お世話になっている家とレゴ遊びに飽きたのか、
私は“新規開拓”に乗り出した。
別の家で遊ばせてくれるところを探し始めたのだ。

独力で探したのか、
親のツテでだったのか詳細は忘れたが、
すぐ下の階で、子供はいないが、
ファミコンのある家を発見した。
以後、若い奥さんがいるその家にあがりこみ、
毎日のようにその家で若奥さんと楽しくファミコンに熱中した。

マリオブラザーズとかアイスクライマーとかをやっていた。
ゲームをやっていると、
よく知らない人であることも、
年上であることも、異性であることも忘れて、
あっという間に時間が過ぎていった。

レゴで年下の男の子と遊ぶより、
ファミコンできれいな若奥さんと遊んだ方が、
楽しいという計算が働いたのだろう。

一度、やはり子供のいない若奥さんのところに、
遊びに行ったことはあるが、
ファミコンがあるわけでもなく、
レゴがあるわけでもないので、
お互い共通点もなく、気まずい思いをしながら、
なんだかとても上品なおやつまで出されて、
とまどいを覚えた私は、
素早くおやつを流し込むと、
逃げるように家に帰ったのを覚えている。

そう考えるとゲームってすごいなと思う。
年代を超えたコミュニケーションになり、
あまり知らなくてもゲームをともにすることで、
打ち解けあうことができ、長い時間を過ごせるのだから。

当時、共働きはそんなに当たり前ではなかった。
なぜうちはお母さんが家にいてくれないのかと、
何度嘆いたことだろう。

でもそのおかげでといったら変かもしれないけど、
違う家との出会いや付き合いができた。
もし母親が家にいたら、
3~4歳下の子供とそんなに遊ぶこともなかっただろうし、
若奥さんと一緒にファミコンやることもなかっただろう。

そんな子供の頃のことをなぜか突然思い出した。
自分の意識にはない体験の連続が、
今の自分の価値観とか行動を形作っているのかと思うと、
なんだかおもしろい気がする。

他にどんなことあったかな。

by kasakoblog | 2009-10-29 23:07

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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