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グイン未完の最終巻130巻発売!

壮大な大河ロマン、ヒロイックファンタジー、
栗本薫著の小説「グインサーガ」が本日発売130巻で、
ついに未完の最終巻となりました・・・。

栗本薫さんは今年5月に亡くなってしまったにもかかわらず、
書き溜めていたストックがまだあり、
6月に著者本人のあとがきがある127巻が発売され、
あとがきはなくなったものの、
8月に128巻、10月に129巻が発売された。

そして12月。
未完の最終巻はいつもの半分の分量140ページ。
まだまだ物語途中のまま、
ついにこれが栗本薫著による本当に本当の最終巻となってしまった。

私が読み始めたのは今から20年前。
1990年、高校生の頃。
この時、グインサーガは30巻程度しか出ていなかった。
私は1巻から読み始め、おもしろくて食い入るように読み進め、
あっという間に発売されている巻を全部読んでしまった。
以降、20年間、私は1~2ヶ月に1度訪れる、
グインサーガ最新刊の発売日になると、
本屋に行って最新刊を買って読み、
次の発売を待ち遠しく思う日々が続いた。
それは今年も同じだった。

しかしもう今日発売のものが最終巻。
もう二度とグインサーガの発売日を楽しみにする、
これまで20年間続けてきた1つの生活サイクルがなくなると思うと、
薄くなった最終巻を手に取っただけで、
なんだか泣きたい気持ちになった。

本編130巻プラス外伝21巻、合計151巻。
マンガではない。1巻300ページ程度ある小説である。
20年間、楽しみ続けられる小説ってあるだろうか?
151巻、楽しみ続けられる小説ってあるだろうか?
前人未到とはまさにこのこと。
栗本さんの“偉業”ははかり知れない。

“誰かに物語を語り継いで欲しい”
新装版最終巻のあとがきにそう著者が書いたという。
この壮大な物語を誰が語り継げるのだろうかと思いつつ、
未完のまま終わってしまうには、
あまりにも物語が生き生きとしてもったいないので、
亡くなった著者がそう望むなら、
誰かが未完グインを続かせてほしいと願いつつも、
この壮大な物語を栗本さん以外に、
果たして誰が語り継げるだろうかと思うと、
思わず無言になってしまう。

病床にあり、5月に亡くなったにもかかわらず、
死後、3.5巻分もの物語を残してくれた著者の執念というか、
作家魂には感服せざるを得ない。
まさに死ぬまで書き続けていたんだと思う。

私も一人の書き手として、
書くことが好きで、誰に命令されるわけでもなく、
金がもらえるかは関係なく、
書きたいから、誰かに読んで欲しいから、
誰かに伝えたいことがあるから、
その一心で毎日更新ネット日記を10年続けてきて、
この先も好きだから書き続けるとは思うけど、
栗本さんのように死ぬまで書き続ける勇気というのに、
最終巻を手にとって、圧倒される思いだった。

未完の最終巻にもかかわらず、
著者の作風は変わることなく、
ただ淡々と物語を紡いでいるまま終えているから、
なおのことそう思うのだ。

好きを仕事にするって、
栗本さんのようなことを言うんだろうな。
栗本さんが書き続けてきたこの数十年、
人生の歩みとともにグインサーガが常に傍らにあった人が、
何万人といたことだろう。
それだけの読者を引き連れながら、
何十年も書き続けてきた著者の仕事って、
本当に素晴らしい仕事だと思う。

私は書き続けてまだ10年。
栗本薫さんのように、
読者の人生の傍らにあり続ける、
文章を書いていけたら、
どんなに幸せなことだろうかと思う。

来年でホームページ「かさこワールド」の、
毎日更新日記「つぶやきかさこ」(mixiにも転載)は、
11年目を迎えます。
伝えたいことがある限り書き続けていきたい。

そんな勇気をもらった、
グインサーガ最終巻だった。

10年目で膨大な量となったホームページ、 かさこワールド
http://www.kasako.com/

今から読んでもおもしろいグインサーガ

by kasakoblog | 2009-12-08 22:35 | 書評・映画評

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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