低金利の預金は損?JALに見る株の恐ろしさ

お金を銀行に預けても、利息がぜんぜんつかない。
普通預金はたった0.04%。
100万円預けたとしても1年間で利息はたったの400円!

「こんな低金利じゃどうしようもない」
そういって「貯蓄から投資へ」の大号令のもと、
2005年あたりから猫も杓子も株式投資をしたわけだが、
なかでも株主優待で人気もあり、
個人株主が約40万人もいるJALの株式は、
なんと紙くずになろうとしている。

半年前、JALの株をもし購入したら20万円(200円×1000株)。
それが今や7000円!(7円×1000株)。
100%減資による上場廃止となれば、
JALの株は文字通り紙くず。
20万円で購入したものが0円になってしまうのだ。

空前の株式ブームで個人がこぞって買ったライブドアは、
上場廃止になり、株価は下がったが、
紙くずになったわけではない。
それにもともとがITベンチャー企業で、
ハイリスクハイリターンな企業だから、急に株価が下がったり、
上場廃止になったりする可能性は十分考えられた。

しかしJAL。
一般個人がまさか大手航空会社のJALの株が、
紙くずになってしまうなんて、
夢にも思わなかったはずだ。

株式ブーム時のマネー誌なんかは、
よく株主優待特集を組み、
航空券割引の優待もついてオトク!なんて宣伝した。
所詮、マネー誌に勧められたところで、
20万円が紙くずになってしまう損を追うのは、
購入する自分自身の責任なのである。

そう考えると、普通預金がたった0.04%しか利息がつかなくても、
絶対に預金した額が減ってしまうことはないのだから、
普通預金がいかに素晴らしいかがわかる。

でもたった0.04%じゃ・・・という人がいるかもしれないが、
今、デフレ=物価が下落しているわけです。
すると名目の利率は0.04%と低く見えるかもしれないけど、
物価が下がっている分を考えると、
実質は2%とか3%とかトクしていることになる。

どういうことか。
5年前に100万円普通預金に預けて、
利息が0%だったとしたら、損したような気分になる。
でも5年前に比べて物の値段が下がり、
100円で買えたものが今なら80円で買えるなら、
預金額は同じ100万円であっても、
その価値は100万円以上の価値がある。

しかしなんとしても国民が株を買うことで儲ける人たちは、
こう言い続けてきたわけです。
「インフレ=物価上昇したらどうなるんだ!
普通預金ではインフレリスクに対応できない」

実際、一時、原油価格が高騰したりして、
物価が上がった時期も確かにあった。
でも大方の予想を裏切って、
またしてもデフレになってしまった。
デフレになって強いのが株式ではなく普通預金であることが、
まざまざとわかってしまったわけだ。

もちろんこの先の経済がどうなるかはわからない。
ものすごいインフレになる可能性もある。
しかし、普通預金は絶対に預けた金額は減らないが、
個別の銘柄に投資する株式投資は、
JALという大企業であっても、
わずか半年で20万円が0円になってしまう危険性があるのだ。

その危険性をわかった上で、
投資している人はぜんぜん問題はない。
それは個人の自由だし、
危険があるところにしか儲けのチャンスはないのだから、
投資をすればいいと思う。

しかしライブドアに退職金をつっこんでしまうような、
無知な国民が結構いて、
株の危険性をろくに理解しないまま、投資してしまうと、
JALの株ですら紙くずになるという恐ろしい現実が待っている。

今回のJALの件を教訓に、
投資の危険性をろくに理解していない人は、
ネットで簡単にできるからとか、
みんな株式投資やっているとか、
株式投資をやると経済のことがわかるとか、
そういう意味不明な動機で投資をしてほしくないなと思う。

1929年の世界恐慌前。
靴磨きの少年までもが株の話をしていたことから、
こんな末端の人にまで、
株の話が広がっていることは異常なバブルだと察知し、
世界恐慌前に株を売り払って儲けた人がいる、
というのは有名な話。

書店の株式投資本がわんさか並び、
誰もが株の話をしていた2006年頃。
それはまさしくバブルだったわけです。

株式投資ってねずみ講みたいなところがある。
みんなが買えば上がる。
だから一般庶民にまで買わせようと必死になる。
一般庶民が株を手を出している時には、
すでに高値のバブル状態。
早く売り逃げした者勝ちなのだ。

JALの株を購入するといえば、
多くの人はそれをパチンコや競馬と同一視する人はいないだろう。
しかし現実はパチンコや競馬より恐ろしいギャンブルだったわけだ。
競馬に数十万円、数百万円賭けたとしたら、
「おまえ、何やってるんだ!」と家族から怒られるだろうが、
なぜか株に数十万円、数百万円賭けても、
「投資」という言葉のマジックで、
いかにも賢いことをしているように見られるとんでもない錯覚。

この世に楽して儲けられることなんてないんです。
仮に楽して儲けたとしても、
そのようなあぶく銭はろくなことにはならない。

預金は低金利だと脅されても、
デフレになればこれほど安全性が高く、高利回りな商品はない。
目先の利率が低くても、普通預金は、
デフレならものすごい賢い“投資法”となる。

投資=ギャンブルを否定するつもりはないし、
遊ぶ楽しみとして株式投資はものすごくおもしろいとは思うけど、
大企業の株ですら紙くずになるということを、
今回のJALを契機に多くの人が知ればいいなと思う。

あまり投資に詳しくない人は、
・個別銘柄の投資はやめておいた方がいい
・日本株は魅力がないからやめておいた方がいい
と思います。

無論、短期でうまくやれば大儲けできますが。

・・・
ちなみに私は金融ライターという職業柄、
実体験をするために、
2006/3/15に10万円で株式投資をしてみました。

いろんな株を持ちましたが、
現在は、日本駐車場開発を2株持っていて、
購入価格と現在の株価を比較すると、マイナス2880円。
10万円の株式投資資産はなんと1万2340円になってしまいました!
わずか4年で1/10!

もちろんこの先、上がる可能性もありますが、
まず10万円まで回復することはないでしょう。
お金を損しただけでなく、
株式投資をするための時間コストも考えたら、
よっぽどマックでバイトした方が稼げますよ。

by kasakoblog | 2010-01-14 00:41 | 金融・経済・投資

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


by kasakoblog