イメージで選ぶと入社後辞めるだけ~就職活動の具体的ヒント
2010年 01月 19日
企業に就職して自分が幸せになれるかどうかは、
上っ面の美麗字句を並べた、
企業の説明会やホームページを見ても、ほとんどわからない。
わからないどころか実態とはまったく違ったりして、
入社してから「こんなはずじゃなかった」と、
せっかく入社したのにすぐ退職してしまうハメになる。
一番いいのは今、働いている社員に話を聞くこと。
それが一番、企業の実態がわかり、
自分にとっていい就職先かどうかがわかるだろう。
採用に有利になるとか、
そういう下心で会うのではなく、
自分と企業の相性を判断するために、
現役社員に会って社内の様子や雰囲気を聞けばいい。
そうすれば入社後のミスマッチはかなり減ると思う。
その企業の社員が難しいなら、
同業他社とかに聞けばよくわかると思う。
どうやって社員と会うかわからない?
それを考えるのが本当の意味での就職活動ではないか。
会う方法を自分で考え、行動に移す。
与えられたフォーマットに、試験の解答を書くように、
自分の美談を書くのは、就職活動のほんの一部でしかない。
・投資先を選ぶのとは違う
会社選びをするのに、
株式投資銘柄選びするようなやり方が、
企業研究であり業界研究であり、
就職活動だと勘違いしている人がいる。
「売上高は○億円で前年比○%アップ。
自己資本比率は○%。業界順位は○位で・・・」
バカじゃないかと思う。
それが自分とどう関係するのか。
売上高1000億円の企業に就職するのと、
売上高100億円の企業に就職するのとで、
自分の働き方がどう変わるのか?
売上の数字によって自分の働き方が変わる、
明確な理由があれば、
売上高ランキングで企業を選べばいいが、
多くの場合、そうではないだろう。
結局、本音の部分では、
「規模が大きい方が安心そう」
「規模が大きいと大きな仕事を任されそう」
とか、そんな理由でしかないのだ。
そういう表面的なものって、
簡単に採用担当者に見破られるし、
そんなので就職先選びしても、
入社してから楽しくはないのではないか。
基礎知識として企業の数字を知っておく必要はあるが、
それを就職先選びの基準にしていたら、
まあまず落とされるのではないか。
・自分が採用担当者だったらと考えてみる
自分が採用担当者だったら、
どんな学生を採りたいと思い、
どんな学生は採りたくないと思うか、
想像してみればいい。
そうすれば自分がいかに不純な動機で、
企業選びをしているかがわかるだろう。
・どこでもいいから入りたい学生から落とされる
就職活動とは、企業が学生を選ぶだけでなく、
学生が企業を選ぶ場でもある。
企業が学生を「落とす」だけでなく、
学生も嫌な企業は「落とせば」いい。
ところが多くの学生は、自分で選ぶのではなく、
企業から選ばれることに神経を注いでしまう。
別にこの会社じゃなくても、
どこでもいいから入りたいと思う。
そういうスタンスで就職活動してると、
すぐ企業側にバレてしまう。
「こいつ、どこでもいいんだな、会社なんて」
そんな人を採りたいと思うだろうか?
自分が就職先を選んでいるという意識を持って、
就職活動しないと、ことごとく落とされることになるだろう。
就職が厳しい時代だからこそ、
企業に迎合する学生は落とされてしまうんじゃないか。
社会人から見れば、
「御社が第一志望です!」なんてウソはすぐにわかると思うし。
※「当社は第一志望ですか?」と聞かれたとき、
「『第一志望です』とウソをつく」という人は71.0%もいるとか。
就職氷河期だろうが就職バブル期だろうが、
社会経験が少ない学生が多いために、
(別にそれは学生だけが悪いとは思わないが)
入社してからギャップを感じて、
「こんなはずじゃない」と思い、
せっかく入社したのに辞めてしまう人が多いように思う。
もちろん若い頃にいきなり自分に最も適した会社なんて、
見つけられないとは思うけど、
企業や業界の実態をできるだけ知る就職活動をすれば、
そうしたギャップを減らせるのではないか。
企業側も上っ面の採用活動なんか辞めればいいのに。
たとえば「うちに入社したい奴は、
うちの社員に10人会って、そのレポートを書け」とか。
面倒な試験なら、本当に入りたい学生しか受けないだろうし。
企業にとっても学生にとっても、
入社後にイメージが違って、
結局辞めてしまうことほど、
お互いに時間も金も無駄になってしまう。
まあ無駄があってこそ、
本当の“道=就職先”が見つかるという効用も、あるとは思うけど。
入社前にできるだけ企業の実態を知れば、
学生もアホみたいにいっぱい会社受けなくていいし、
企業側も足きりのために無駄な時間を割かなくて済むだろうに。
まあ企業の方が学生には見せられない実態が多いから、
いつまでたっても無駄な“お見合い”やってるんだろうけど。