サラ金取材のため大阪へ
2010年 02月 22日
先程まで京都で6時間あまりサラ金取材をしていました。
やっと大阪のホテルに到着。
明日は銀行取材なのですが、
それとは別に個人の仕事で前泊して関西遠征へ。
まず今日は堺に行き、
アイフルがテレビで問題になり、
脅迫テープの声の主とされた、
アイフル元社員の取材。
裁判ではすでに勝訴しており、
この方が脅迫的な取り立てをしていないし、
テープの主ではないことは明らかになったわけですが、
当人に聞けば聞くほど、
いきなりテープの声の主とされた冤罪というか、
あまりにも不自然なテープだということが明らかになった。
これについては詳しく今年発売予定のサラ金本で書きます。
堺の後、京都へ。
10年ぶりに私が新人の時にお世話になった社員にお会いした。
私は「アイフル元社員の激白」という本を出しており、
ある意味では「不義理」をした相手。
誤解はまだ解けてはいないものの、
私を信じてもらい、10年ぶりにもかかわらず、
会ってくれた。
「マスコミがおもしろおかしくサラ金を取り上げているが、
真実を伝えてほしい」
私はサラ金の味方をするつもりはないが、
1月、2月の多数のサラ金関係者にお会いし、
その真実=事実をありのままに本に書こうと思っている。
終始なごやかなムードだったが、
その間に何度か目を見つめ、戦わせた。
相手は私を疑っている。
アイフルをバッシングして儲けているだけではないかと。
私はあることないこと書いて、
サラ金をバッシングしたことはない。
それには自信があったから目をそらさなかった。
いや、正確には私を疑っているというより、
私の姿の背後に既存のマスコミの姿をだぶらせたのかもしれない。
脅迫テープ1つとっても、
アイフルではなく、まったくのでたらめだったわけで、
しかし騒ぎに乗じていい加減な報道をした結果、
アイフルは今や倒産寸前まで追い込まれた。
マスコミへの不信感が、
マスコミ側にいる私に厳しい目を向けたのだろう。
マスコミの影響力はあまりに大きい。
マスコミ側にいる人間として、
筆の重さの自覚を持っているのかと。
真実を書くのであればいくらでも協力を惜しまないが、
発言の一部だけを取り上げて、
おもしろおかしく叩くことはするなと。
それは私への愛情を持った、
ありがたいアドバイスだった。
既存メディアのように、
金のために事実を曲げて、
道を踏み外した報道をすることは、
短期的な利益を稼げたとしても、
長期的には信頼されなくなる。
40年以上も勤めた叩き上げの人。
10年前だったら怖くて目をそらしただろうし、
そもそも会うアポイントをとらなかっただろう。
今は自信がある。
これまで出してきたサラ金本は真実を伝えてきたまでで、
おもしろおかしくバッシングはしていない。
次に書く本もそのつもりだ。
今年出すサラ金本は売れる本ではないと思う。
なぜなら改正貸金業法が全面施行されて、
影響を受ける人なんて、
サラ金に働いている人と多重債務者だけだからだ。
しかし本作品は売れないけれど、
極めて社会的意義のある本だと思う。
正直、この本の執筆を依頼された時、迷った。
多分売れないだろうし、持ち出しも多い。
もうサラ金はいいだろうという思いもあった。
しかしサラ金の生の声を伝えるメディア(媒介者)は誰もいない。
しかもこれは一サラ金の問題にとどまらず、
出る杭は打つ社会、
グレーなゾーンをわざと作って、
政治家が都合のいいところで叩くという、
日本社会の欠点を凝縮したような問題だと思う。
金がもらえるもらえないではない。
売れる売れないではない。
これは私がサラ金に勤めたことのあるものとして、
書かなければならない社会的使命のある作品だと思った。
今日の大阪・京都で取材を終了し、執筆にとりかかる。
1月2月と取材してきたがかなり手ごたえを感じている。
今はもうはやらないジャンルだけど、
いわゆるルポルタージュだ。
マスに売れるものではないが、
この本が法律改正を見直す一石を投ずる可能性もある。
「売れなくても社会的意義がある」
というのは売れないものの言い訳ともいえるが、
今回ばかりは売れなくても私が書かなくて誰が書く、
という使命感に突き動かされ、取材をした。
サラ金関係者は概ね好意的に取材に応じてくれた。
それは私が一記者ではなく、
元サラ金にいた記者だから。
単に叩いておもしろがる人ではない、
とわかっているから協力し、
積極的に情報提供してくれた人が大勢いた。
サラ金最新作はかなりの自信作になると思う。
執筆にとりかかり、発売の案内をなるべく早く、
お知らせできるようにしたいと思っています。