便利になると失業者が増える?
2010年 02月 26日
例えばその一つに便利になることがあると思う。
これは素晴らしいこと。
みんなにとって幸せなはずだ。
でも便利になることで仕事が必要なくなり、
失業者が増えるという面もある。
例えば新聞。
今、新聞とっている人、少ないんじゃないか。
この不景気で毎月4000円もの固定費って、
結構負担になるし。
昔だったら新聞がなければ、
テレビはあるにせよ情報源が限られていたから、
とらざるを得なかった人も多いだろう。
でも今や無料でネットで見れる。
無料で見れるだけでなく、
瞬時にニュースがわかる。
技術の発展で世の中が便利になったおかげだ。
無料かつタイムリーにニュースが見れるなら、
紙の新聞はいらないという話になる。
日経新聞が今度Web版を有料にするという話もあり、
今後、無料でネットニュースが見られるかはさておき、
Web版があれば朝刊、夕刊という時間差もなく、
紙面スペースに左右されることなく、
自分に必要なニュースを簡単に検索して、
見ることができるようになれば、
「紙の新聞いらないじゃん」という話になるだろう。
もし紙の新聞がなくなったらどうだろう?
読者は便利になる。
しかし反面、大量の失業者が出る。
新聞の紙はいらない。
新聞の印刷もいらない。
新聞を配送する人もいらない。
新聞に記事をレイアウトする人もいらない。
もちろんネット化によって新たな仕事は必要になるが、
それで紙がなくなった分の失業者を補えるとは到底思えない。
つまり便利になると仕事が減るのだ。
新聞に限った話ではない。
例えば飛行機予約とかホテル予約。
今までは予約係がいて、電話対応なり窓口対応なりして、
予約対応をしていたわけだけど、
客が勝手にネットで予約するようになれば、
そういう人たちはいらなくなる。
やっぱり便利になると仕事は減り、失業者は増えるのだ。
だからこそ政治家を使った経済界が、
圧倒的多数の国民が便利になることを妨げさせ、
自分たちの職を守ろうと必死になったりするわけです。
便利になると仕事が減るという矛盾。
だからといって便利になることが悪いとは、
絶対に思わないけど、
そういうのが進んでいけば、
誰だって職を失う可能性があるわけで、
そうなったらやっぱり他人事じゃないわけです。
でも仕事を与えるために不便な社会でいるというのもおかしい。
本来なら便利になれば、
不要なコストが削減されるわけだから、
世の中で生きていくお金は少なくて済むはず。
便利になって支出が減れば、収入が減っても生きていける。
そう考えると、経済発展の究極の姿は、
デフレ化なのか無料経済なのかという話になる。
昔の日本は土曜日も働くのが当たり前だった。
便利になって週休2日になった。
もっともっと技術の発展で便利になれば、
仕事が減り、収入が減るけど、
休みが増えてもいいはずなのに、
日本の悲劇はデフレや不景気になると、
そのしわ寄せを労働者の無償残業で補おうとすることにある。
世の中が便利になり自由な時間が増えれば、
本当は喜ばしいことなのに、
なぜ喜ばしい社会ではなく、
失業といった負の面ばかりが出てしまうのか。
かなり大きな話になってしまうけど、
経済システムの仕組みを変えれば、
便利になって仕事は減るけど豊かな社会というのは、
実現できるはずじゃないかと。
そんなに働かなくても楽しく暮らせるなら、
これほどいい社会はない。
実はそれがユートピアではなく、
現実にできるかもしれないというところまできたのは、
デジタル技術ではないか。
あらゆるコストを限界まで下げ、
時間を短縮するデジタル技術。
仕事を減らす悪として捉えるのではなく、
ユートピア実現の革命的ツールと考え、
それに合わせて社会の仕組みを
変えていけばいいんじゃないかと思っている。