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旅を仕事にしているうらやましい人たち!

世界中を旅して、それが仕事になったら最高・・・。
それをまさしく実践している人がいる。
ライター中山茂大氏(1969年生まれ)&
カメラマン阪口克氏(1972年生まれ)のお二人だ。

モンゴル、イエメン、パプアニューギニア、インド、
モロッコ、ネパール、カンボジアなど、
民家に居候した旅行記「世界のどこかで居候」(リトルモア)を、
二人の共著として2010年2月に発売したほか、
世界各地を旅し、雑誌の連載や著書出版を仕事にしている。

どうやったら旅行を仕事にできるのか?
どうすれば「好き」を仕事にできるのか?
二人の経歴をたどりながら、その秘訣を取材した。

※彼らに知り合ったきっかけは、
私が以前勤めていた編集プロダクションの先輩で、
かつカメライターの大先輩でもあり、
現在は石垣島在住の西野嘉憲さんに紹介していただきました。

●1:南米アンデス6000kmをロバとともに歩く!
なんとなく旅が好き。
そんな中山さんは大学時代に、
おもしろそうな探検部に入った。
探検部だけあって、先輩はみんなすごい旅をしている。
旅好きの先輩に囲まれながら、様々な旅行を経験した後、
大学4年生の時に、大学時代をしめくくる旅として、
南米アンデス6000kmをロバとともに歩くという、
とんでもない旅を10カ月間かけてした。
1993年の頃のことだ。

しかし、そんなすごい旅をしたからといって、
すぐにそれが仕事になったわけではない。
ましてやこの時、中山さんには旅を仕事にしようとする発想はなく、
大学卒業後、出版社に就職。
マンガの編集者となり、普通のサラリーマン生活を送っていた。

就職してから3年。
1つの小さな転機が起きる。
大学の後輩が「ロバの旅行はおもしろい!」と、
知り合いの出版社を紹介。
大学時代のロバ旅行記が出版されることになったのである。
*「ロバと歩いた南米アンデス紀行」(双葉社)1998年

この時、中山さんの胸に、ある想いが浮かんだ。
「旅行を仕事にしたい。
旅行作家、トラベルライターとして仕事をしたい」

こうして中山さんはマンガ編集者を5年間勤めた後、退職(2000年)。
フリーのライターに転身したのであった。

●2:旅を仕事にするためカメラマンになる!
もう1人、旅行好きの男がいた。
阪口さん。
大学時代は旅行好きでバイク部に所属。
日本中、全国各地をバイクで旅して回った。

この頃からすでに旅を仕事にしたいと思っていた阪口さん。
どんな道を歩めば旅が仕事になるか考えた結果、
カメラマンになろう!と決めた。

大学に在学しながら写真学校に2年通い、撮影技術を学ぶ。
大学、写真学校卒業後、
2年間、広告写真スタジオで下積みをした後、
旅を仕事にするカメラマンになるため、独立。

「退職したら一度でかい長期海外旅行をする」という、
前々からの計画のもと、
はじめての海外旅行にもかかわらず、
オーストラリア大陸1万2000kmを、
自転車で一周するという、とんでもない旅行を敢行した(1998年)。

帰国後、その時の旅行写真を持って、
アウトドア雑誌や旅行雑誌に営業しに行き、
取材旅行の撮影仕事を少しずつもらうようになっていった。

●3:フリーになった二人が出会い、ユニット結成!
マンガ編集者を辞めてフリーになった中山さん。
フリーのカメラマンになった阪口さん。
ともに旅行を仕事にしたいと独立した二人が、
運命的な出会いをするのが2000年のことだ。

山と渓谷社のアウトドア雑誌で、
それぞれライター、カメラマンとして仕事をしていた。
二人の経歴を知る編集部の人が、
「この二人は合うのではないか」と、
九州縦断取材で二人をコンビに組ませた。
ライター中山さん、カメラマン阪口さんの初の出会いである。

しかしこの時、仕事のやり方などで、
取材中はケンカばかりだったという。
すぐに意気投合したわけではなかったが、
取材を終えて、ちょっとした後、
阪口さんから中山さんにこんな電話をした。

「一緒に営業に行きませんか」

カメラマンだけで営業に行くよりは、
ライターとカメラマンセットで営業に行った方が、
仕事になりやすい――。
そう思った阪口さんがライターの中山さんに声をかけたのだ。

中山さんにとってもこの提案はありがたかった。
会社を辞めてフリーになり、
旅行仕事を増やすために、
営業しなければなと思っていた矢先だったからだ。

二人で飲みながら企画を考えたり、
営業する雑誌社や出版社を考え、
一緒に図書館に行って雑誌や本を借りてきて、
連絡先を控えて営業しに行ったという。

「二人で営業するなら共通の名前がほしい」
そこで彼らは「人力社」という屋号を立ち上げ、
共通の名刺をつくり、ユニットでの活動を本格化するようになった。

●4:仕事順調なのに“戦線離脱”のまさかの長期旅行
旅を仕事にしたいと2000年頃にフリーになった、
ライター中山さんとカメラマン阪口さん。
二人でタッグを組んで営業したこともあり、
またそれぞれ仕事の経験を積み重ねてきたこともあり、
食うには困らない程度の仕事は得られるようになっていた。
主に雑誌で国内の旅行取材仕事をこなしていた。

ライターの中山さんは、
高円寺のバーのマスターで、
韓国人カメラマンでもある朱さんと知り合いになり、
意気投合して、韓国本も共著で出すようになる。

フリーになって中山さんも阪口さんも、
順調に仕事をこなしていた2005年のこと。
ライター中山さんからまさかのびっくり発言が飛び出した。
「2年ぐらい長期に夫婦で旅行してくる」

これにはカメラマン阪口さんも、
韓国人カメラマン朱さんもびっくり。
「せっかく仕事が順調に行っているのだから、今、行くのはやめてくれ」
「今まで営業でとってきた仕事がなくなってしまうかもしれない」
「何も今、行かなくても・・・」
と阪口さんはしきりに説得を続けるも、
ただ長期に旅がしたいという、
率直な強い想いを持つ中山さんの思いを変えられることはできず、
中山さんは奥さんとともに長期の海外旅行に行くことになった。

中山さんの思いを変えられないと知った阪口さんも、
中山さんの長期旅行のはじめの1カ月、
タイやラオス旅行をこちらも夫婦で参加することにした。

●5:長期旅行が新たな仕事を生む
中山さんが旅立った後、カメラマン阪口さんは、
人力社に新たに加わったライターの和田さんとともに、
中山さんの仕事を継続し、
中山さん帰国後も仕事をつなぎとめられるよう、
日本での“留守番役”として仕事をしていた。

中山さんは純粋に海外旅行を楽しみつつも、
何かこの旅行が仕事になればと漠然と思っていた。
中山さんと阪口さんは旅行中もメールでやりとりしながら、
二人で次なる企画案を考えていた。
その時、企画になりそうなものが、世界の民家居候旅行だった。

世界各地の民家に泊めてもらい、
その時の様子や民家の暮らしなどをレポートする。
すでに原型は2004年に阪口さんと二人で旅したモンゴル民泊旅行があり、
雑誌で取り上げられていた。

「これをシリーズにして連載しよう!」

この企画を形にするため阪口さんが営業。
雑誌「Memo 男の部屋」にシリーズとして連載することになり、
中山さんは長期旅行中、
阪口さんを度々、取材・撮影のために呼び出し、
世界各地で居候旅行を行い、
旅行の一部を仕事にしていった。

●6:営業するのは好きなことするため
ただ残念なことに、好評だった世界の居候旅行シリーズも、
雑誌が突如、廃刊となってしまい、
数回で終わってしまった。

もうすでに取材ストックはあるのに・・・。
そんな時、旅行中の中山さんから、
「週刊誌で連載できたらうれしいな」と阪口さんにメール。
「週刊誌、いくらなんでも無理じゃないか」
と阪口さんは思いつつも、営業魂を発揮し、
以前にも何度か営業に行ったことがある週刊誌に電話を掛けた。

すると、以前、コンタクトをとっていた担当者とは、
別の人が電話に出た。
その偶然のおかげでなんと連載が決定!
居候旅行の連載は週刊誌に移って続くことになった。

「営業の電話って運に左右されることが多い。
誰が電話を取るかによって、
仕事になったりならなかったりする。
無理だと思っていたけど、電話を掛けてよかった」
(阪口さん)

阪口さんは根っからの営業マンなのかと思いきや、
「電話で話すのも営業するのも本来は苦手なんです」という。
でも、なぜあきらめずに営業を続けるのか。

「好きなことを仕事にするために営業するんですよ。
だから苦手でも営業がんばれるんです」

素晴らしい心意気!
好きなことを仕事にできる理由は、
こまめに営業活動を行っているから。
営業がイヤという人は多いが、
中山さんや阪口さんを見習って、
「好き」を仕事にしたければ、
まずは自分の好きなことをやり、
それを仕事にするため営業すればいいのだ。

●7:居候旅行が本になる!
約2年間、夫婦で旅行を楽しんできた中山さん。
阪口さん含め、周囲に反対された旅行であったが、
結果的には雑誌の連載企画にもなり、
かつその連載が本として出版されることも決まり、
今まで以上に旅行が仕事になっていった。

2010年2月に中山さん&阪口さんの共著、
「世界のどこかで居候」(リトルモア)発売。
また今までの旅行エピソードを、
北海道新聞に連載していた旅行記「ハビビな人々」が、
2010年2月に文藝春秋より発売。
中山さんは夢見た旅行作家として、
活躍のフィールドを広げつつある。

好きな旅行を仕事にする秘訣について、
中山さんと阪口さんはこんな話をしてくれた。

「請負仕事をやっていたらいつまでたっても好きな仕事はできない。
自分で企画を立て、それを持って営業し、仕事にする。
これが好きなことを仕事にする秘訣です」

「また旅に出る予定はあるんですか?」とたずねると、
中山さんはそう遠くない時期に、
1~2年の長期海外旅行に出るつもりだという。

中山さんは仕事になるという打算などはあまり考えず、
ただ好きだからふらっと旅行に出る。
実際に旅行に出ておもしろい企画になりそうなものがあれば、
阪口さんに連絡する。
阪口さんはそれを企画書に仕立てて営業する。
その企画が通れば、阪口さんが旅先に赴き、
二人で取材し、仕事にしていく。

二人で役割分担がうまくできているからこそ、
旅行が仕事になる、いい循環が生まれているのだろう。


好きな時に好きな場所へ旅行する、中山さんの軽やかさ。
好きなことを仕事にするためにまめに営業活動をする、阪口さんの熱心さ。
旅行を仕事にしている二人から、見習うべき点が多いなと思った。

「人生、好きなこと、やったもん勝ち!」

二人の人生へのスタンスから、
好きを仕事にできるヒントは数多いと思う。

トラベルライターになるには
http://www.kasako.com/travelwriter.html

人力社ホームページ
http://www.jinriki.net/

「世界のどこかで居候」(リトルモア)

by kasakoblog | 2010-04-09 21:04 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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