2010年 04月 15日
なぜ「貯蓄から投資へ」が定着しないのか
市場がバブルな時に、広告で煽って投資させ、
結果、高値づかみさせて、
せっかく投資を始めた人が大損してしまい、
「投資なんて二度とやるまい」と思わせてしまうから。

日本人の堅実な貯蓄性向を愚かだといってバカにし、
いつもお得意の「世界標準」を持ち出して、
アメリカなどでは貯蓄率は低く、
資産を貯金ではなく投資に回しているといって、
近年、堅実な貯金者を、
投資家へと仕立て上げてきた。

ただ残念なことに、
みんなが投資を始めようという機運が盛り上がっている頃は、
すでに市場がバブル化しており、
この時から投資を始めると、
まず間違いなく損をするようにできている。

金融機関や官僚や政府が、
本気で日本人に投資を根づかせることが、
日本の国益にもなり、国民のためになると思うのなら、
景気がよい時、市場がよい時に、
金融商品の広告をうって投資商品を買わせるのではなく、
金融危機や不景気のどん底だと騒がれているような時こそ、
「今が買い時の絶好のチャンスだ!」と、
広告・啓蒙すべきだろう。

もはやかつてのような右肩上がりの時代ではない。
だからバカの一つ覚えのごとく、
長期投資を説いたところで、
投資したタイミングが悪ければ、
いつまでたっても儲からないということがあり得る時代になった。

資産に投ずる投資ではなく、
機会に投ずる投機でなくては、
勝てなくなってしまったのだ。

つまり重要なのは何に投資するかではなく、
いつ投資するかにシフトしている時代になった。

みんな投資を始める時はこう思っている。
安値で買って高値で売ればこんなに儲かるじゃないかと。

ところがたいがいは高値で買って安値で売り、
また高値で買って安値で売る悪循環になってしまう。
なぜそんなバカなことをしてしまうのか。

投資ゲームに入るタイミングを一度間違えると、
まったく市場変動の波の逆をことごとく行ってしまうからだ。
それは景気がよくなってきた、相場がいい、
投資が儲かるらしい、メディアが投資を取り上げている、
書籍コーナーに投資本が山積みになっている、
雑誌や新聞で投資の特集がしている時に、
ゲームを始めてしまうからだ。

例えば100年に1度ともういわれた金融危機直後に、
雑誌や新聞に投資が儲かるという特集はまず組まれないし、
こんな時に投資本を執筆して本屋に並べても、
時代の雰囲気からほとんどの人が見向きもしなくなる。
本当はこういう時こそ、投機ゲームに入る、
絶好のチャンスなのだが、
そこで投資を勧める人が少ないため、
いつまでたっても個人投資家は、
高値づかみして市場が暴落して狼狽売りする悪循環に陥ってしまう。

新興国なんかは間違いなく右肩上がりで成長するわけだから、
先進国ではなく新興国に投資すれば、
絶対に儲かるはずだとみんなが今、思っているわけだけど、
みんなが思っている時はすでにバブル化しているから、
これまた高値づかみをしてしまうのだ。

マネーの移動がグローバルになってしまったため、
新興国が長期的に高度成長するからといって、
今の株価より将来の株価が高いとは、
限らない時代になってしまったのだ。

逆にうまく逆張りで投機ゲームに参加すると、
何も考えなくとも市場の値動きの波にあわせて、
安値で買って高値で売るというのが、
いとも簡単にできるようになる。
もちろん、儲けを得るためには、
長期投資なんか絶対にダメで、
3~4年ぐらいのサイクルで、
暴落時に買ってバブル時に売り、
またバブル崩壊したら買って、またバブルに売るという、
好循環を繰り返すことがしやすくなる。

無論、投資とはすでにギャンブル化しているため、
パチンコや競馬をやるような感覚で、
損をしてもいい金をぶっこんで、
一発逆転を狙うにはいいかもしれないが、
生活に必要な資金まで投資してしまうと、
あとでとんでもないことになってしまう。

アメリカなんかじゃ金融危機以降、
投資より貯金がいいよねなんて機運が盛り上がり、
機関投資家ですらキャッシュ比率を高めた方が、
機動的に相場の波にのれるという機運になっている。
投資なんかより現金が王様なのだ。

もちろんインフレもあるし、通貨暴落もあり得る。
そうなったら現預金は紙くずになる可能性もある。
しかしハイパーインフレや通貨暴落になる可能性と、
投資で損する可能性のどちらが高いのかを考えれば、
それこそ100年に1度しかこない可能性のために、
間違いなく5割は負ける投資に手を出すのがいいのか、
答えは明白だろう。

投資をやるのなら今や投機の時代。
機会を捉えて投資し、長期ではなく短期で逃げ切る。
多分これしか投資で勝つ方法はないんじゃないかと、
私は思っている。

貯蓄から投資へを推奨するなら、
こうした本音の投資術を啓蒙し、
高値づかみで狼狽売りの失敗体験を、
個人投資家にさせないよう、
投機のすすめをする方が、
今よりはるかに投資は根づくのではないかと思っている。


by kasakoblog | 2010-04-15 23:37 | 金融・経済・投資


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