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幸か不幸か中国バスアクシデント

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チベットタウン・夏河から合仁にバスで向かう時のこと。
バスは朝8時に出発し、「さあさっさと走ってくれ」と思いきや、
やはりというべきか中国バスの慣例通り、
町をぐるぐる走って乗客の客引きをし(すでに座席はいっぱいなのだが)、
それが終わると今度はガソリンスタンドに行き、ガソリンを入れ、
(なぜ出発前に入れておかないのかいつも疑問に思う)
バスターミナル出発時刻から30分以上過ぎて、
やっと町を抜け、アップダウンのある草原を走り始めたのだった。

1時間ほどずっとひたすら山道を登っていたのだが、
頂上に達したらしく、今度は一挙に下る道に出た。
するとそこには、ぱっっと草原が開けた素晴らしい景色が広がっており、
私はあわてて小雨で濡れたバスのきったない窓をこすってふき、
カメラを取り出し、あわててシャッターを切っていたところだった。

と、その時である。
「ゴゴゴゴゴゴゴーーーー」
バスはものすごい音を立てて急停車したのであった。
「ホオッイ!」
バスの運転手は非常事態に何事か乗客に叫んだ。
バスから出ろ!ということらしい。
左に傾いたバスから乗客はあわてて出たのであった。

見ると、見事にハマッてしまったのだ。
道路脇に土に。

狭い道路で急な下り坂。
かなり荒い運転をするドライバーが強引に、
トラックを抜き去ろうとして端に寄せたために起こったアクシデントだった。
もちろん、抜こうとしたトラックは「ざまあみろ!」といわんばかりに、
とろとろと下り坂をマイペースで下っていたのだったが。

このアクシデントに私は大喜びであった。
ちょうどこの素晴らしい景色でとまってくれて、写真が撮れる。
バスを心配そうに眺める乗客を刺激しない程度に、
私は景色と、そして見事に傾いてしまったバスの写真を撮る。

「なんてこんなタイミングよくアクシデントが起きるんだろうか!」
と私は喜んでいたのだが、それははじめの10分程度の話だった。
人が押せば簡単に抜け出せると思ったバスは、まったく動かなくなってしまったのである。
結局、かなり肌寒い早朝の草原の中、バスが動き出すまでに1時間かかったのであった。

ただ、はじめは写真が撮れるなどと喜んでいたのだが、
バスをまじまじ見るに、大きな事故にならなくてよかったなと思った。
中国でとにかく怖いのは運転である。
とにかく荒い。当然、事故も多い。
特にチベット自治区に6年前訪れた時なんか、
そこらじゅうでトラックとかが横転してるんですよね。
道路が整備されていないのに、すごい荷物を積んで、
そんでもって猛スピードを出し、追い抜きもすごいから。
中国という国民性を端的に現しているようだ。

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ただ乗客は慣れっこになっているのか、写真を撮っていて不謹慎という雰囲気はない。
ドライバーほか数名が、懸命にタイヤ脱出作業をしている間、
寒いもんだから傾いたバスの中に入って寝てたりタバコ吸ったりしてるんだから。

やっとのことで復旧脱出し、バスは1時間遅れで走りはじめたわけだけど、
このドライバー、懲りずに遅れを取り戻さんばかりに、
また猛スピードで、「ワンワン」クラクション鳴らしながら、次々と車を抜いていったな。
さすが、中国。
そしてグッドラック。

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by kasakoblog | 2005-10-11 12:28 | 旅行記

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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