2010年 10月 22日
いずれ日本に雇用が戻ってくる
円高で海外に工場が移転し、
日本に雇用がなくなると大騒ぎしているが、
そんなに悲観しなくてもいい。
いずれイヤでも日本に雇用が戻ってくる。
なぜなら、新興国インフレ(物価上昇)と、
先進国デフレ(物価下落)が、
同時進行で起きているからだ。

今、世界経済で問題になっている、
新興国のインフレと、先進国のデフレ。
こぞってこれは大問題だと説き、
新興国はインフレを抑え、
先進国はデフレを阻止すべきだと説く。

しかし新興国インフレと先進国デフレが同時に起こるのは、
グローバル経済の当然の帰結であり、
ある意味ではまったく悪いことじゃない。

日本人の頭がおかしいのは、
国内の給料格差があると、
「格差があるから大問題だ」と騒ぐ。
同じ仕事をしているのに、
正社員と派遣社員とアルバイトで賃金が違うことを、
大問題だと騒ぐ。

しかし日本人は国際格差はまったく問題にしない。
同じ仕事をしているのに、
日本人と中国人の賃金の差は20倍ぐらいある。
こんな不公平なことを平然と行っているのに、
「同じ仕事をしてるんだから外国人の給料を上げるべきだ」
という人は皆無だろう。

世界のボーダレス化が急速に進み、
企業はより大きな利益を得るために、
どうせ同じ商品を作るなら、
人件費が安いところで造った方がトクと見て、
日本をはじめ多くの先進国が、
生産拠点の海外移転を行っている。
円高なんかほとんど関係ない。
20倍の給料格差があれば、そりゃ安い方にみな流れるだろう。

衣料や電化製品や日用品をよく見てみると、
中国製とかアジア製が非常に多い。
そのおかげで安い製品を手に入れることができる。

この動きが進展するとどうなるか。
先進国は新興国で安く製品を作らせるから、
国内の物価はどんどん下がる。
一方、新興国にはどんどん仕事が流れて儲かるから、
次第に賃金は上がり、物価も上がっていく。
こうして、新興国と先進国の貧富の差が、
急速になくなってきているのが、
新興国インフレと先進国デフレの同時進行だ。

つまり日本人が大好きな格差問題が、
解消しようとしている。

先進国のデフレがどんどん進めば、
仮に先進国の人たちの給料が下がっても、
まったく問題じゃない。
給料が30%下がったとしても、
物価が30%下がれば生活には困らないからだ。

今は安いからと新興国に生産拠点が移転しているけど、
新興国経済が発展し、物価が高くなり、賃金も高くなったらどうだろう?
様々な国外リスクを負って生産しても、
賃金が日本人とたいして変わらないのなら、
日本で日本人に作らせた方がいいんじゃない?
って話にいずれなる。
こうして国際賃金格差のイカサマが是正されれば、
結果、日本に雇用が戻ってくる可能性は高い。

そう考えると、新興国インフレと先進国デフレは、
別に悪いことでもない。
今までおかしかった格差が正しく修正されるだけの話。

こうした大きな流れをまったく無視して、
デフレは悪だからとカネをジャブジャブ市場に注ぎ込んで、
デフレを必死になって阻止しようとしているのは、
日本をはじめとする先進国だ。

もう世界の構造が変わっていて、
この流れは変えられないにもかかわらず、
いつまで過去の栄光にしがみつき、
過去のいい時と比べて悪くなったから許せないと、
必死になっている。
しかしもうそれはムダなのだ。

昔は先進国と発展途上国の格差とか、
発展途上国の貧困が大きな問題と認識され、
不当に発展途上国の人を安く働かせる、
非人道行為を阻止するために、
例えば「フェアトレード」といったように、
途上国で作られた商品に対して、
先進国並みの値段をちゃんと支払うことで、
途上国の貧困を解決しようという動きがあった。

でもそうしたことができたのは、
先進国が発展途上国を見下していたからだろう。
先進国は優越感に浸り、
決して追いつけはしないだろう貧乏人に恵んでやることで、
自分の満足感を得ていたに過ぎない。

ところが最近では、先進国は衰退する一方、
発展途上国ではなく新興国という言葉に代わったように、
下手をすると先進国に追いつくレベルになってきた。

するとどうだろう?
今まで見下せていたから恵んでやれたけど、
今や追い抜かれるかもしれないという恐怖で、
フェアトレードどころか、
むしろ国際賃金格差を利用して一儲けして、
自分たちは生き延びようという動きばかりだ。
まあでもそれは結局、賃金格差を縮める結果にはなるわけだけど。

賃金格差が是正されれば、
誰に仕事を出すかは、
価格競争ではなく技術競争になる。
今は価格が安いから新興国に仕事が流れているが、
賃金格差がなくなったら、
新興国の人に仕事を頼む理由がなくなる。

これから先進国の給料はどんどん下がるだろう。
でもそれに伴って物価が下がれば問題はない。
新興国が発展し、経済規模で追い抜かれるかもしれない。
でもそれによって人件費の価格競争がなくなれば、
日本人に仕事が戻ってくる可能性がある。

無論、未来はばら色ではなく、
ここに2つの落とし穴がある。
1つは、給料は下がっても、食糧や天然資源のない国は、
物価が上がるかもしれないということ。
もう1つは、人件費の賃金格差がなくなった時、
果たして日本人労働者が中国人労働者より、
優れているのかということ。

この2つの落とし穴を回避する手立てを、
今から打っておけば、
デフレや給料減はそう大きな問題にはならないと思う。

今、世界は大きな構造転換期。
でもそれに多くの人は気づいていないから、
困った困ったと連呼しているが、
決して悪いことばかりではないことにも、
注目していきたい。


by kasakoblog | 2010-10-22 22:57 | 金融・経済・投資


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