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申し訳ござませんを多用するな!

下手(したて)に出ることが相手の関心をひく最大の武器だと、
勘違いしている人が意外といる。
確かに、自分が下手に出れば、
相手は気分がよくなろだろう。
しかしそれは相手の横柄な態度を助長するだけ。

結果、真の信頼関係は築けず、
やがて関係は破綻するか、
もしくは自分が奴隷のように尽くすか、
どちらかになる。

自分に自信がない、自社製品に自信がない、
自分が勤めている企業に自信がないは、
下手にでがちだ。

相手の気分を損ねたら、
仕事がもらえなくなるのではないかという恐怖感から、
こちらが悪いわけではなく、
相手の無理難題が悪いと思いつつ、
ついつい「申し訳ござません」と謝ってしまう。

本人は謝ることで相手の気分を良くさせ、
この先も仕事を継続的にもらえる、
信頼関係が築けたと錯覚するが大間違い。

しょっちゅう下手に出る相手をどう思うか?
しょっちゅう謝る相手をどう思うか?

「オレが悪いんじゃなくあんたのところが全面的に悪い」
「よほど仕事がなくて困ってるんだろうから、
値段も下げさせ、納期もタイトで、無理難題も言える先」
と思わせるだけだ。
ようは都合のいい、使い捨てのコマにしか見られなくなる。

それが下請けであり、
それがクライアントを喜ばすことであり、
それが仕事だと勘違いしているのなら、とんだ錯覚。

いつも「申し訳ございません」と言えば言うほど、
「この会社、大丈夫かな?」と思われるだけで、
実は信頼をどんどん失っているだけ。

適正利益を確保し、真の信頼関係から仕事をもらうには、
おかしいことはおかしいとはっきりいうこと。
できないことはムリということ。
自分が謝ってしまえば手っ取り早いという、
安易な発想は捨てること。
自分が悪くなければ謝らないこと。

「いやでもそんなことしたら仕事なくなっちゃう」
本当だろうか?
それで仕事がなくなるのなら、
所詮、自分や自社製品やその企業は、
市場で生き残るにふさわしくない、
価値のない存在だったということに過ぎない。

仮に下手に出ていることで仕事をもらえたとしても、
・下手に出ているから仕事をすればするほど赤字になり、
自分や自社に損害をもたらしているだけ
・他のもっと下手に出て、安い価格を提示するライバルが現れたら、
今までの恩義など忘れて、すぐクライアントは乗り換える
だけだろう。
下手に出て仕事をつなぎとめているって、
いずれにせよ破綻するしかないのだ。

別にクライアントや取引先に、
横柄な態度をとれといっているわけじゃない。
お金をもらい、その対価としてサービスを提供する、
対等な意識を持ち、
クライアントや取引先の奴隷となるのではなく、
大事なパートナーとしての意識を持つべきだ。

対等なパートナーなのだから、
おかしなことがあったら指摘してあげる。
それで言うことを聞かないのなら、
パートナーとしてふさわしくないのだから、
こちらから仕事を切ればいい。

相手に対して卑屈な態度をとり、
下手に出続けるって、
相手に対しても逆に失礼。
つまり自分も相手を信頼してない。好きじゃない。
だから「こっちが謝れば丸く収まるんでしょ」みたいな、
考えている。
だから本気で悪いと思っていないのに、
「申し訳ございません」という言葉が簡単に出てくる。

そんなに軽はずみに使ってもいいのか。
本当に謝るべき時に使う言葉であって、
しょっちゅう使う言葉ではないはずだ。

仕事になってしまうと、
お金を払うーもらうの力関係を意識するあまり、
卑屈な態度になりがちだが、
たとえばプライベートな人間関係を考えてみればわかる。

本当に好きな友人や知人や恋人のためなら、
苦言を呈することもあるだろう。
「それおかしいんじゃない?」
「それだったらこうした方がいいんじゃない?」

そういうことによって相手に嫌がられ、
嫌われてしまうかもしれないと思って、
何も言わないでいるのは、
親切なようでいて相手のことを考えず、
自分のことしか考えない保身的な対応だ。

それと同じ。
取引先やクライアントのためを思うのなら、
おかしいことは苦言を呈する。
一方的に謝り倒してことなきを得るというやり方は、
相手も自分も互いを信じていない、いかさまの関係だけ。

人だって会社だって腐るほどある。
ムリに関係性を続けようと、
何でもかんでも「申し訳ござません」と、
下手に出る必要性なんかぜんぜんない。

そんな関係を続ければ、
自分も苦しくなるし、
相手のためにもならないことに早く気づき、
真の信頼関係を構築できる相手と、
仕事をしたりプライベートな関係を持つべきだと思う。

by kasakoblog | 2010-12-14 12:34 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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