賢者は忘年会より新年会
2010年 12月 21日
すなわち人気になって人が集まっているところに、
我々は絶対に行かないし、最も警戒する。
なぜならパンクしてクラッシュが起こる可能性があるからだ。
先日、取材したヘッジファンドを紹介している、
外資系金融機関の言葉だ。
みなさんの仕事にも大きな影響があった、
2008年の金融危機。
その発端となったのは2007年のサブプライムローン問題だが、
ようはアメリカとヨーロッパで未曾有の不動産バブルが起き、
それが崩壊し、それに投資していた全世界の投資家に飛び火し、
世界経済がずたずたになった。
需給のバランスが崩れて過剰な人気になっているところほど、
高値づかみをしやすく、
それが一度崩壊すると、
みな一斉に逃げるように売り浴びせるため、
とてつもない暴落が起きるという、
パンクとクラッシュの悪魔の連鎖が起きてしまう。
人が込み合っているところには行くな。
これは投資の世界だけでなく、
我々の日々の生活にも言えること。
わざわざ通勤ラッシュに突っ込むな。
時間をずらして行った方が時間を有効活用できる。
忘年会シーズンの今、終電間際の大混雑電車に乗れば、
酔っ払い客との思わぬトラブルにも巻き込まれかねない。
だから賢者は年末の仕事が忙しい時に、
忘年会をするのではなく、
ゆっくり落ち着いて話せ、
店の予約もしやすい新年会にする。
人気商品でわっとみんなが殺到しているものほど、
わざわざ並んで高いお金を払うほどの価値がない可能性が高い。
ブームは需給を狂わせ、価値を狂わせ、
そして人々の時間とコストを無駄にする。
最近の世論もそう。
わっと持ち上げ、わっとはしごを外して批判する。
投資の世界も日常の世界も、
あまりにも一方向に動きすぎる。
多様な社会であるはずなのに、
選択肢が多様すぎるためか、
みんなと違うことが不安なのか、
不安を補うために、みんなと一緒なら大丈夫だろうと、
価値の真偽を見極めず、わっと人気のものに群がるから、
バブルが起き、クラッシュが起き、
人も社会も経済も傷つく。
みなさんもぜひこのヘッジファンドの格言、
人が込み合っているところはできるだけ避ける、
という意識を持って行動するとよいと思う。
くれぐれも忘年会シーズン、飲みすぎに注意。
酔っ払いに注意。トラブルに注意したい。