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転職活動期

昨年、4ヶ月の旅行から帰ってきて、転職活動していた時のこと。
自分の興味ある編集プロダクションに転職しようと、あちこちに履歴書を提出したがことごとく落とされた。
面接もせず書類で落とされる。こんな辛いことはない。

原因は簡単なこと。僕の履歴書を見れば一目瞭然。
大学は法学部卒。前職は消費者金融の営業マン。そして旅行。
なぜ編集や出版関係の仕事をしたいのか、この経歴からはわからない。
たとえ志望動機から熱意が伝わったとしても、この経歴では全く関係ないからつかえないと落とされてしまうのだ。

書類を書いて送っては落とされていくうちに、だんだん自信をなくしていく。
自分の能力に自信をなくしていくのではなく、社会に失望していくのだ。
所詮、社会ってところは何にもわかっちゃいねえ。現実的には自分の希望する分野には就職できそうもない。
やっぱり好きなことをして仕事ができるなんて、バカな理想論に過ぎないんだ。
会社なんて結局はどこに入ったって同じなんだ。
どこでもいいからとりあえずどこかの会社に入って、自分の好きなことは仕事ではなくプライベートでするしかないのかなと。

いつまでも理想論ばかり追いかけているわけにはいかない。
もうすぐお金も尽きてしまう。
自分のプライベートの時間をしっかりとれるなら、どこでもいいやと、
フリーライターからフリーター職への転職活動に切り替えたのだ。

そこで編集プロダクションへ履歴書を送る無駄な徒労を辞め、金がいいか、時間が取れるかどちらかの仕事にしようと考えた。
そこで、まず金がいい教科書販売の営業の会社の面接に行ったのだ。
2000年2月15日、電話するとすぐ履歴書を持って会社で面接。
仕事なんて何やったって一緒。だったら一層のこと金がいい会社にすればいいのではないかと思った。
「金で時間は買える」ーアジアに旅すれば1日300円もあれば暮らせるのだから。

会社に入ると、まるでホストのようにきらびやかな装飾品をつけた営業マンたちが大勢いた。
露骨なほどの営業成績グラフがデカデカと貼り付けられていた。
100万ちかくする教材セットを売りつける仕事である。
言ってみれば金持ちの主婦にいかに気に入られるかが、営業マンのポイントなのだ。まるっきりホストの仕事だ。

履歴書も見ず、席に着いた僕に面接官はこう言った。
「いやあ、笠原君。売れそうだね。ここにしなよ。」
何の手続きもいらない。完全歩合。交通費も保険料も手当ても何もない。
あるのは売った金額に対する高率歩合だけ。だから明日からすぐ来てもらっても構わないというのだ。

僕はやばいなと思った。
こんな会社についていけないと思ったのではなく、
僕は多分この会社に入ったら、営業成績を上げられるという自信があるから「やばい」と思ったのだ。
高率歩合で月に100万とか稼ぐようになってしまったら、自分の価値観が全く変わってしまうような気がした。
金銭感覚がマヒすれば、生活全般がおかしくなる。売れる自信があるから、入社後を考えるとやばいと思ったのだ。

特に僕がやばいのはその金の使い道である。
ここにいる社員は、高率歩合で稼いだ給料を、ブランド品や装飾品、高級車に使って満足しているが、
きっと僕はそんなことしないだろう。
もしかりに300万でもあったら、高級車やブランド物の時計なんかの、日本でしょうもないモノ買うより、
またどこか旅に出るだろう。だって100万もあれば楽に半年は海外で旅ができるのだから。

日本にいてあぶく銭をバカみたいな使い方するまっとうな一般人ならいいが、僕には旅という麻薬がある。
そんな金あったら、またさっさとやめて旅に出てしまう。
それが最もヤバイと思い、この会社に入ることは辞めにした。
(一瞬だか、この会社に入社しようかと思った自分がいたが・・・)
by kasakoblog | 2001-01-28 00:36 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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