プリンスオブエジプト
2001年 02月 21日
エジプトを舞台にし、モ-ゼをモチ-フにしたもの。
実写とアニメを合成した壮大な遺跡郡は、圧倒的な迫力があった。
スト-リ-は、多くの民衆を犠牲にして巨大な神殿を建設する王と、
それに反対して民衆の解放を訴える拾い子の弟の対決が軸に展開していく。
この作品を見て思ったのは、いつの時代も為政者の横暴は何千年も昔から、全く変わっていないのだなということ。
為政者の権力を誇示するために民衆をこき使い、莫大な税金を投入して巨大建造物を作る。
今の日本だって同じ過ちを繰り返してるじゃないか。
公共事業と称して、莫大な税金を意味のない巨大施設につっこみ、
その見返り(賄賂)を発注先の建設業者からもらいうけている。
天下り、賄賂、利権、権力誇示など、何千年前の教訓が生かされていない。
これで「成長」だとか「進歩」だとか騒いでいる社会がちゃんちゃらおかしい。
それに闘うべく登場した長野県知事の田中康夫氏の苦戦を見ればわかる。
無駄な公共事業をストップさせようとすると、今まで甘い汁を吸ってきた輩から猛反対を受けるのだ。
建造物だけにとどまらず、たとえばあの2000円札なども無駄な一つだ。
2000円札を、あなたは何度見掛けましたか?
自販機でも使えない、めったに見ることのない流通しない紙幣のために、無駄な作業や無駄金がどれだけ使われているか。
単なる為政者の権力誇示でしかなかったのだ。
映画は、神の啓示を受けたモ-ゼによって、民衆は圧政から解放されるが、
果たして今の世に、モ-ゼの化身は現われるのか?
日本のモ-ゼは、今のところ、田中康夫氏や石原慎太郎氏(またはかつての東京都知事青島氏)といった、
一部の県政知事に限られている。
巨大な建造物や無駄な権力誇示をしない国政レベルでのリ-ダ-はいつ現われるのだろうか?
マスコミなどで呼び声高い田中真紀子氏が現代のモ-ゼたりうるのか?
日本に巨大公共事業をばらまいた田中総理の娘しか頼る人がいないという、日本政治界の人材の貧困さを思う。
作家出身者ががんばってるだけに、やっぱり次代はかさこ総理しかないかな。