二番煎じ(2)
2001年 03月 21日
早くて安くてうまいをモット-に、牛丼のチェ-ン店を確立させたパイオニアだ。
その二番煎じが松屋。
二番煎じが同じことをやっても売れるわけがない。
本家にはない特徴がない限りは、二番煎じは一生二番のままだ。
しかし二番煎じの松屋は徹底的に独自色を出した。
個人差にもよるだろうが、多分吉野屋の牛丼と松屋の牛丼は、はるかに吉野屋の方がうまいはず。
そこでまず松屋は、画期的なサ-ビスとしてみそ汁を無料でつけた。
吉野屋はまずいインスタント味噌汁が50円だが、松屋は吉野屋よりはるかにうまい味噌汁をただにした。
外食が多い男性単身者にとって味噌汁はどこかほっとするもの。
それが無料とはこれだけでも大きな特徴だった。
さらに松屋は牛丼だけにとどまらず、次々に新しいメニュ-を登場させた。
カレ-や定食など種類は実に豊富。牛丼しかない吉野屋とは別の存在価値を見いだしたのだ。
さらに松屋は400円の牛丼の定価を290円にするという大攻勢に出た。
二番煎じでありながら、先手先手を打つ攻勢は見事なもの。
今や松屋は本家をしのぐ存在となった。
二番煎じのロッテリアと松屋。本家のマクドナルドと吉野屋。
二番煎じだろうが、本家だろうが、関係はない。
問題は他社との競合に打ち勝つために、いかに特徴のあるサービスを出していくかだけなのだ。
二番煎じの明と暗。
本家マクドナルドの後追いで、しかも全く同じ価格戦略を展開するどうしようもない二番煎じ、ロッテリア。
二番煎じでありながら、本家吉野家にはない独自色を次々と打ち出し大攻勢をかける松屋。
同じ二番煎じでもこれだけ違う。
一番か二番かという問題よりも、いかに他社に先んじて攻勢を仕掛けられるかで、その勝敗は決まる。