「PRIDE」CHAGE&ASKA
2001年 03月 19日
「古くて新しい」-そんな彼らの膨大な曲の中から、ベストな一曲をセレクトした。
それは、1989年に出されたアルバムタイトルになっているも「PRIDE」という曲だ。
(シングルカットはされていない)
「SAY YES」「LOVE SONG」「めぐり逢い」など、ラブソングのヒット曲が多いチャゲアスだが、
心の内面をえぐるようなこの曲「PRIDE」は、ぐっと心に沁み込んでくる名曲中の名曲。
言葉を一つ一つ確かめるように、語りかけるようにゆったりと歌うASKAの声が、
ピアノ演奏中心のシンプルなサウンドゆえに、聞くものの心に響いてくる。
一挙に盛り上がりをみせるさびの部分は、ASKAの心の叫びが強烈に伝わってくる。
内面に秘められたエネルギーが一挙に解放されるようなメロディーは、内に詰まったものを解放してくれる。
どこかせつなく、それでいて心の底から湧き上がってくるようなパワーを感じさせる曲だ。
「抱きしめそこねた恋や夢」
決して前向きな詩でもなければ、強いメッセージが描かれた詩でもない。
むしろ別れやうまくいかないことばかりが描かれている。
にもかかわらず、前向きに生きていこうと想わせる力強さが、底に流れているのを感じることができる。
「心の鍵を壊されても 失くせないものがある」
どんなに追い詰められても、どんなにどん底に沈み込んでも、最後に譲れないもの、
自分の根本みたいなもの、それが「PRIDE」。
こういう曲っていうのは、陳腐なラブソングと違って作ろうと思って作れる曲ではない。
アーティスト自身の強い想いが、これだけ自然に出ている曲はそう数多くないだろう。
自分自身の心情を、ストレートに歌詞とメロディーに再現した素晴らしい曲だ。
アーティストの強い想いが曲に込められているからこそ、聞くものにパワーを与えることができるのだろう。
なおこの「PRIDE」は、最新ベストアルバム「VERY BEST ROLL OVER 20TH」に収録されているので、ぜひ一度聞いていただきたい。