はじめに資格ありき
2001年 03月 27日
「作家になる学校に行くより、ライタ-のバイトをした方が勉強になる」
この時、僕はこの言葉を昨今の資格ブ-ムの世の中に送りたいと思った。
慢性的な不景気で、雇用情勢が悪化している現在、確かに資格という客観的基準も大切だが、
たとえば宅建の資格の勉強するより、不動産屋に勤めていれば嫌でも実務がわかるし、
パソコン教室に通うより、会社で毎日パソコン使っている人の方が実務がわかる。
英会話教室に通うより、外国人の友達と話したほうが話せる。
こんな例をあげて何が言いたいか。
昨今の資格ブ-ムは「はじめに資格ありき」というスタンスがおかしい。
実際に不動産屋で働いている人が、自分の仕事のステップアップのために宅建の資格を取るとか、
毎日パソコンを使って仕事をしている人が、もっと使いこなせるようになるためにパソコン教室に通うとか、
本来は実務での必要性を感じるから、資格の勉強をしようというのが筋なのです。
ところが現状は、不況だから、自分ができることの客観的証明が欲しいからと、
資格に対する自分なりの必要性ではなく、社会的な必要性、
つまりは、この資格は有利だとか、取りやすいだとか、そういう基準で選ぶからおかしなことになるわけです。
たとえば、サラリ-マンになりたくないから公務員や資格試験を受けるというのは本末転倒なのです。
でも本当に試験に合格する人は、試験に合格することを考えていない。
合格したら何をしたいかを考えている。
とりあえず資格が欲しいという人と、決定的な違いがあるのです。
「はじめに資格ありき」的な考えで仮に資格を取れたとしても、慢性的不況化の現代においては、絶対に通用しない。
その資格を取って何をしたいかが、はっきりとイメ-ジできている人しか通用しないほど、
今は厳しい時代であるということをまず認識する必要があるのです。
不況だから資格を取っておけばなんとかなるだろうという考えでは、もはや通用しない時代なのです。
後向きな考えで、つまらない資格の勉強をするぐらいなら、
前向きな考えで、どんなにくだらないことでも自分の好きなことをやりとおした方が、
人生はるかに楽しいし、本人のためにも、ひいては就職のためにも長い目で見れば良いはずなんです。
「何をしたいか」を考えた上で、それにあてはまる資格の勉強をするという順序でなければ、
資格はただの飾りと化すだけでしょう。