宿病
2001年 04月 20日
「チベットのあまりに美しい青空を見てしまったから、他のどんな空もみても濁って見えてしまう」
人間あまりにいい思いをしってしまうと、他のものが良くないものに見えてしまう。
なぜこんな話を持ち出したかというと、僕はラーメン探訪という旅の途上で、
550円の峰、650円の味噌一という安くておいしいラーメン屋を知ってしまったので、
他のラーメン屋が大したことないと思えてしまう宿病を背負ってしまったのだ。
もし峰や味噌一を知らなかったら、他のラーメンでも十分満足したかもしれないのに、
つい値段とおいしさをこの2店と比べてしまうから、他のラーメンが情けなく思えてしまうのだ。
人間は比較で物を見るからこのようなことになる。
何もこれはラーメンに限らず、人や物に対する見方全般にも言えることだ。
逆に悪いものしか知らないと、ほんのちょっといいものを知っただけで、極楽のように思える。
今、自民党の総裁戦は国民の関心が高いという。
それはきっと今までの森総理という、極めて劣悪な総理しか知らなかったので、
それよりましなものが4人も出てきたから、すごく良く見えるのかもしれない。
まあ、そうやって常に人間というのは絶対的な良し悪しで判断しているのではなく、
あくまで相対的な基準でしか見ていないのだと、つくづく思った次第である。