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パロディー

6/3のつぶやきかさこで「チーズはどこへ消えた?」の書評を展開したが、
今この本で話題なのは「バターはどこへ溶けた?」という類似本が出て、扶桑社が訴えたというニュースであろう。
この「バターは~」は「チーズ」の論旨を全く逆転させて批判しているのだという。
確かにこの「チーズ」の論旨には、起業家の経済的成功のみを目指した論調が強いということもある。
だから僕が批評を展開するべくもなく、「バター」のような本が発売されるのだろう。

訴えられた本とはいかなるものか、早速新宿の紀ノ国屋書店に見に言ったら、これがすごいこと。
「チーズ」の横にびっしりと「バター」が何冊も並べられている。
こういう配置で本を置く書店も扶桑社さんは訴えた方がいいんじゃない?ってぐらい第2弾みたいに見える。

さらにさらに驚くなかれ。これにとどまらず「ひまわりの種は誰が食べた?」なる第3の類似本まで出る始末である。
しかし思うに、こういうパロディー本が出ることは、本家本元にも相乗効果で売上が伸びるだろうし、
「バター」を読んでみたところ、完璧なまでに「チーズ」を真似していることがわかるので、
明らかなパロディー作品として認められてもいいんじゃないかなと思う。
(まあ個人的な意見だが「チーズ」は訴えるほど大した内容の本ではない)

パロディーとは確立された文学作品のジャンルであり、
辞書によると「既成の著名な作品などの特色を一見してわかるように残したまま、
違った内容を表現して、風刺・滑稽を感じさせる文学作品」と定義されている。
ここで重要なポイントは完全に真似することで、逆に読者に「これはパロディーですよ」とわかるのであって、
部分的に似ているだけでいかにもこれは独自の作品ですみたいな姿をしたものこそ、訴えるべきなのである。

残念ながら独創的なアイディアとはそう何度も出るわけではなく、
大概どこの業界も二番煎じ、三番煎じで食っていっているようなものである。
パロディーはパロディーとして二番煎じとは違った意味を持つものであるから、
チーズ君はそう青筋立てて訴えたりしなくてもいいのになあ、というのが私の個人的な感想である。

by kasakoblog | 2001-06-04 00:20

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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