映鏡~ベトナム~
2001年 06月 25日

異国は母国、他人は自分。
目の前に立ち現れる、人・景色・出来事・・・そのすべて。
旅において出会うのは、常に自分の中にある世界。
ベトナムに何を見たのか?
その背後に湧き上がってくるニッポンを僕は見ていたのではないか。
ここはどこ?ここはベトナム。
ここはどこ?ここはニッポン。
むかしむかしのニッポン。20、30年前のニッポン。
どこかで見た風景。どこか懐かしい風景。
失われた風景を求めて、失われた時を求めて、
僕はタイムマシーンに乗ってやってきた。
旅は、旅人の心の、映鏡。
そこで見るものは異国であって異国でない。
他人であって他人でない。
異国に映る母国を眺めて、旅人は旅を続ける。
