教訓とはいかに~花火将棋倒し事故~
2001年 07月 24日
7/21、兵庫・明石で起きた花火大会の将棋倒し事故の大惨事。
マスコミはこぞって警備の不備や警備員の不足を訴える。
なぜか日本では事故が起きる度に、まず警備の不備が指摘されている。
武富士の火災事故でさえ、マニュアル不備の方向へと故意に論調を誘導しようとしていた。
(ただしその事件は、あまりに犯人の犯行が残虐性を極めていたために、マニュアル不備指摘は最小限にとどめられた)
小沢一郎の著書「日本改造計画」には、確かこんな話で始まる。
「アメリカのグランドキャニオンには柵もなければ、危険だとの注意書きもない。
これが日本だったら行政の不備を指摘されるだろうが、アメリカではこれが当たり前だ。
自己責任に基づいて各自が行動し、いらん世話のために税金の無駄使いはしないのだ」
今回の兵庫で起きた事故も、真っ先に警備の不備を問題にしようというマスコミの悪意的な意図が見受けられる。
「警備員がもっといれば防げた事故だった」そんな誘導の仕方の番組構成に腹が立つ。
あほか!
いくら警備員を増やしたところで、たかがあんな小さな花火大会に、
13万人もの人が来ること自体、もうすでにイマージェンシー(非常事態)なのだ。
警備員が何百人いようが惨事は起こるべくして起こるだろう。
この事故をもとに何を私たちは問題にし、教訓としなければならないのか?
それは、たかだか3連休で、人口海岸でしかも歴史のない花火大会程度のものに、
あれだけの人が集まってしまうほど、私たちに楽しみがないということである。
余程私たちは貧しい生活をしているようだ。
あんな程度の花火大会に13万人もの人が集まってしまうほど、
日本の余暇は貧弱だということを、日本中にさらけ出したのがこの事故だ。
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ちょうど僕もこの3連休に映画を見に行こうとしたら、異常なほどの人なので見るのをやめた。
なんでこんなに人が集まるんだ?たいした映画じゃないのに。
暇つぶしで入ろうとした人にとってはいい迷惑だ。
まったく映画館とは悪趣味で、指定席にすれば並ぶ必要がないのに、
「席の確保は保証いたしません」とか張り紙をして、スピーカーでがなりちらしたあげく、
通路に人を並ばせている。それが繁盛している証拠といわんばかりに。
こんな無駄なことを客にさせているから花火事故のような惨事が起きるのだ。
警備以前の問題である。
3連休中は交通情報ではあちこち渋滞ニュースが流れる。
ゴールデンウィークや正月連休ならともかくもたかだか3連休なのに、
世の中よっぽど休みを取れないのか、この機会を逃すべからずと誰もがあわてて出かけている。
この事態こそが異常であり、いわゆる今回のような惨事を引き起こす原因となっているのだ。
休みも渋滞、平日も通勤ラッシュ。
異常なほどの人の流れの集中が、事故を起こさないわけがない。
花火事故の教訓はこれ以上ばかみたいに警備員を増やすことではない。
そもそも警備員を増やした金は花火参加者が払うとでもいうのかい?
3連休でなくても、いつでも休みを取れる社会。
地元のせこい花火大会などいかなくとも、他に楽しみのある豊かな社会。
そうなれなければ、いくら警備員を増やしたところで惨事はいつまでたってもなくならないだろう。