2011年 01月 20日
投資で儲かるにはタイミングしかない
私は2005年から金融・経済・資産運用の記事を書く、
編集プロダクションに勤めている。
この5年間で投資、資産運用に関する取材は、
少なくても200件以上はしており、
そのジャンルで書いた原稿は軽く本5冊以上にはなると思う。

にもかかわらず、今まで投資で儲けたことはない。
10万円(5銘柄)で株をはじめてみたが、今や1万円ぐらい。
20万円(19本)で投資信託をはじめてみたが、今や14万円ぐらい。
30万円が約半値の15万円になってしまった。
利率が0%でも預金していれば、
15万円も損しなくて済んだということになる。

テレビや雑誌に出ている名だなる経済評論家やエコノミストに、
何十人となく取材し、
運用会社をはじめ、金融機関を何十回となく取材し、
ファイナンシャルプランナーなどお金のアドバイザーに、
何十回となく取材しているのにこのザマだ。

しかしこの5年間、ずっと資産運用や金融記事を書いて、
やっとわかったことがある。
タイミングを間違ったら絶対に投資で儲けることはできない。

若い人も年配の方も、
日本の財政不安や年金不安をさんざん煽られて、
働いてもこの先、収入が上がるかは疑問だから、
お金に働いてもらって収入を得る、
資産運用=投資をはじめましょうと煽られてきた。
「確かにそうだ!自分の資産を形成するためには、
預金を取り崩して投資もしよう!」と投資を始めた方も多いはず。

しかも投資というと金融や経済のことを調べたり、
知れるから、さも高尚なようなことに錯覚する。
それは単なる競馬の予想屋や、
パチンコの解説本と同じ次元でしかないにもかかわらず。
そして投資を始めた結果、大損した人が多いはずだ。

しかし大損しても金融機関や専門家はこう言い訳する。
「100年に1度の金融危機があったから、
たまたま下がっただけ。
このまま保有し続けていれば、いつか必ず上がる『ことが期待できる』」と。
これが長期投資のワナだ。

でももはや長期投資では必ず儲かるとは言えない時代になった。
その理由は簡単。
1つは、日本、米国、欧州などの先進国が低成長になったから。
低成長国の株を買ってずっと上がり続けるなんてもはや幻想だ。

ならば今、急成長している新興国に投資すればいいじゃないか、
という話になるが、そうは問屋がおろさない。

もう1つの理由、それは、投資の世界がグローバル化したため、
高成長国の相場が高騰し、すでに割高になり、バブル化していること。

この2つの理由から、長期投資をしても儲からなくなった。

だから世界中がバブルにわいた、
2006年、2007年に私が買ってしまった株や投資信託が、
このまま持ち続けても、
購入した元の価格に戻れる確率は低く、
損切りして現金化しない限り、
単なる紙くずをかった塩漬け資産となってしまうのだ。

こうして株や投資信託に愛想つかした人たちが、
次に手を出したのがFX=外国為替だ。

為替は上がったり下がったりする。
株のように下がったら悪い、上がったら良い、
ということではなく、
上がろうが下がろうがメリット・デメリットあり、
丁半バクチのようにどちらに転んでも儲けるチャンスがある。
こうしてみな、株や投信からFXに流れていったのだ。

私もその1人。
2009年、2010年はちょこちょこFXをやって、
1~2万円ぐらい儲けたかな。
FXでは一度も損をしたことはないが、
あまりに恐ろしくて辞めた。
あまりにも乱高下が激しいことと、
ほんと丁半バクチで予想がまったくつかないこと。
そしてもう1つ、単なる数字当てクイズみたいなもんだから、
やっていておもしろみがないのである。

こうして私は5年間も投資の記事を書きながら、
投資で儲かることができなかったわけだが、
2010年はJリートと呼ばれる、
不動産投資信託に投資し、
わずか5ヵ月で8万円儲けることができた。

それはなぜか。
タイミングがよかっただけだ。

Jリートとは株のように取引ができる、上場されている不動産ファンド。
株と同じように売り買いできるわけだが、
金融危機後、あまりにも割安に放置され続けていた。
その特集記事を書こうと思い、
関係者に取材をしたこともあり、
それならほんとに割安で儲かるのか、
実証してみようと7月8月に買ったJリートが、
秋頃から急上昇して12月に半分ぐらい売り、
8万円も儲けることができた。

結局、儲けることができたのは、
私が金融知識に詳しいとか、
銘柄選択の目利きができるとか、
はっきりいって一切関係ない。
単にタイミングが良かっただけだ。

というかもうこれからの時代、
投資で儲けるにはタイミングしかない。
金融危機のようなバブル崩壊直後の安値で仕入れ、
世界各国が景気回復にやっきになり、
金融緩和を行い、再びバブルがやってきた、
その時に売る。

このタイミング投資=すなわち投機でしか、
もはや投資は儲からない。

難しいのはタイミングがいいか悪いかはわからないこと。
私はJリートで8万円儲けた程度だが、
金融危機直後、Jリートが大暴落し、
もはや消滅するんじゃないかぐらいの、
危機的な時期にJリートを買った知人は、
今、株価が8倍になったという。

しかし金融危機前にJリートを買った人は、
ほとんど大損。
半値どころか1/4ぐらいまで価値が下がっているのではないか。
そのタイミングの良し悪しは、
結果論だからわかることであって、
今の段階で買うのがいいのかは、
はっきりいって誰にもわからない。

ただ間違いないのは、
タイミングが違えば絶対に儲からない。
タイミングがあえば絶対に儲かる。
もはや投資で儲かるにはこれしかない。

だから財政不安や年金不安を煽られたからといって、
安易に貴重な預金を取り崩して、
いろんな投資商品に長期分散投資しても、
タイミングを間違えたら壊滅的な大損を被ることになる。

もし投資をするなら、
競馬をする感覚で、パチンコをする感覚で、
なくなってもいいお金を使って、
タイミングだけを見計らって投資する。

投資は高尚な資産形成術などではなく、
おもしろいギャンブルと割り切り、
もしやるのであれば、
とにもかくにも投資するタイミングに、
細心の注意を払ってほしい。


by kasakoblog | 2011-01-20 23:08 | 金融・経済・投資


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