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POP SAURUSコンサートレポート

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全国15ヶ所、全野外ステージで行われるミスターチルドレンのコンサート。
2枚組のベストアルバムを引っさげて、アルバムツアーではないコンサートが展開されている。
8/25、千葉マリンスタジアムに行ってきたので、その模様を速報しよう。

ミスチルのオープニングは凝っている。「凝っている」というのはお金をかけて盛大にやっているというより、
オープニングにふさわしい映像と共に、オープニングにふさわしい曲をどのツアーでも持ってきているということだ。
前回2000年「Q」ツアーの「その向こうへ行こう」、前々回1999年「DISCOVERY」ツアーでの「DISCOVERY」など、
コンサートの出だしにふさわしいプロローグ的な曲をオープニングの演出と共に歌って盛り上げていく。

そういう意味では今回のオープニング曲は意外だった。
アルバムバージョンの「I'll be」を持ってきたのである。
シングルカットされたバージョンの「I'LL BE」ならあり得ると思ったが、
壮大なスケールのスローバラードを一発目に持ってくるとは。しかもベスト盤にも収録されていない曲をだ。

僕にとっては一番好きな曲だが、これには大観衆も意外だっただろう。
しかしその意外な選曲の効果は抜群だった。
まるでつぶやくような桜井君の歌声が、広い野外のスタジアムにこだました。最高だった。

その後の曲構成はベスト盤を踏まえつつ、今までのミスチルの集大成というように、
古いアルバムから順に曲をセレクトして歌っていった。
「君がいた夏」「LOVE」「星になれたら」「車の中でかくれてキスをしよう」そして「抱きしめたい」でしめる。
最近のミスチルにはない初々しさとポップな曲調が、ミスチルの魅力の幅の広さを見せつけた。

<2>
観客が「抱きしめたい」に聞き入って静まりかえったところで、新たなる幕が切って落とされる。
今やミスチルのコンサートでは絶対に欠かすことのできなくなった曲「Dance Dance Dance」が、
アルバム「Atomic Heart」のオープニングと共にスタート。
「Round about city」「ニシエヒガシエ」「光の射す方へ」と続き、最大級に演奏のボリュームを会場一杯に響かせ、
ノリのいい曲で観客のボルテージは最高潮に達する。
桜井君の表情も初期ポップ作品を歌っていたにこやかな表情から一変。
虚像を背負ったロックンロールスターとして、狂いまくり踊りまくって歌い続ける。

会場の興奮がマックスに達したところで、まるでそれを嘲笑うかのような、地を這うような海面の音。
そう、アルバム「深海」のオープニング曲が、静かに人の心に沈み込んでいくかのように鳴り響いていく。
レコード大賞を取り、出すシングルが売れに売れまくり、アルバムが300万枚売れ、
一挙にスターへと上り詰めた、その圧倒的な虚しさを、
これでもかといわんばかりに内省的に作り込んだ問題作「深海」ワールドへと突入する。

「シーラカンス」「手紙」「マシンガンをぶっ放せ」そして「深海」で、「深海」ワールドを終わりにさせると、
コンサートのしめにふさわしい、桜井君の最も愛しい曲であり、悩みに悩んだ末の一つの答えであるかのような曲、
「Tomorrow never knows」「Hallelujah」「花」で終幕を迎える。
まさしくこのコンサートはミスチルの、いや桜井君のこれまでやってきた音楽活動の集大成的構成なのだ。

しかしもちろん、ここでコンサートは終わらない。アンコールである。
まだやり忘れた曲が何曲か残っているではないか。集まったファンは知っている。
その期待に応えるかのように、桜井君は当然のようにアンコールの一発目は何の前フリもなしに、
「everybody gose」をはじめるのだ。この曲もすっかりコンサートではなくてはならないものとなった。
この曲がはじまっただけで観客のボルテージは一挙に上がるのだ。

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そしてアンコールの二曲目は?
このところ欠かすことのない名曲中の名曲「名もなき詩」かと思いきや、久しぶりにあの大ヒット曲「inocent world」だった。
意外にもこの曲は、2000年「Q」ツアーにも1999年「DISCOVERY」ツアーにも1996~7年「regress or progress」ツアーでも歌われていなかった。
いや桜井君の心中を知っているものにすれば、この曲を今まで歌ってこなかったことは、それほど意外なことではないかもしれない。
まさしくこの曲がミスターチルドレンにとっての大きな転換点となったのだから。

「inocent world」がファンの前に帰って来たことが、内省的な深く暗いトンネルを抜け、
そしてプライベートな面でも再婚を果たした桜井君の「復活劇」なのかもしれない。
今までの憑き物が取れたかのような自由さを取り戻した桜井君。それは最新アルバム「Q」を聞いてもわかるだろう。

これで終わってもおかしくなかったコンサートに、最後に素敵な曲がファンにプレゼントされる。
もしかしたらミスチルの曲の中でも最も知られていない曲の一つであろう、
シングルのカップリングでアルバムに未収録の「独り言」をメンバー4人だけで演奏。
そして最後に、お馴染みとなったサブのメンバー3人が加わり、最新シングル「優しい歌」で終わった。
なんとも粋なはからいのアンコールだった。

ミスターチルドレンの集大成的コンサート「POP SAURUS」。
はじめの曲が始まる前のオープニングの映像は、何もかもつめ込もうとしたためか長く無意味な印象を与え、
今までの明確なコンセプチュアルアルバムのアルバムツアーとしてのテーマ性を感じることはできなかったが、
それ以外は文句のつけようのない選曲と構成であったように思う。

それにしても2時間半全22曲を演奏したコンサートだったが、
それだけではミスチルのすべてを語ることはできなかった。
名シングルの数々、「名もなき詩」「口笛」「NOT FOUND」も、「CROSS ROAD」「シーソーゲーム」「es」も、
「Everything it's you」「終わりなき旅」もやっていないのだから。
それだけこのバンドのモンスター性を改めて再認識させられた一夜だった。

POPSAURUS DVD

・ミスチルファンサイト
http://www.kasako.com/mrchildren.html

by kasakoblog | 2001-08-28 15:13 | ミスチル

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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