安否が気遣われる日本企業の皮肉~バベルの塔崩壊~
2001年 09月 13日
第一勧業銀行:9000億円
日本興業銀行:6000億円
中央三井信託銀行:5500億円
あさひ銀行:5000億円
横浜銀行:2000億円
合計:3兆7500億円
この銀行リストは、神の怒りをかった現代の「バベルの塔」110階という、
驚異のビルに入居していた日本企業のラインナップである。
そしてこの銀行の隣に書かれた数字が何を意味するか、わかるだろうか?
バブルの温床を作ったあげく、今の慢性的不景気の原因を作った銀行への、
不良債権解消のための公的資金導入額である。
この合計金額を村上龍の「あの金で何が買えたか」を参考にするとどうなるか。
砂漠化防止年間費用:1兆400億円
世界最大のニュース番組ネットワーク、CNN:9600億円
途上国の子供すべてに基礎教育:8400億円
パレスチナの復興費用:3600億円
バンコクの空気汚染除去:3000億円
国連予算の完全バックアップ:1200億円
難民への経口補水塩補給:1000億円
アマゾンの森調査・復元プロジェクト:250億円
アフリカ像保護プロジェクト:25億円
モンゴルの寒波緊急援助:15億円
超音波診断装置をチェルノブイリへ:10億円
合計:3兆7500億円
全く皮肉なことだ。
被害にあった企業の大半は、
自らマネーゲームで墓穴を掘って国民の血税を投入した大手銀行ばかりだった。
さてさて日本報道の不思議。
ニューヨーク世界貿易センタービルの倒壊事件を中心とした、
アメリカ同時多発テロが起きている報道では、
テロの概要や背景よりも、邦人の安否ばかりに気を取られている。
「外国で飛行機が落ちました。ニュースキャスターはうれしそうに、
乗客に日本人はいませんでした。いませんでした。いませんでした・・・」
というイエローモンキーの「JAM」を思いだす。
僕はテロを正当化する気は毛頭ない。
しかし悪い事はするべきではない。
どこかでまわりまわって天罰が下るのだから。
ちなみに皮肉なことだが、この銀行の中で一番公的資金を導入された富士銀行の11人の安否が、
まだわかっていないという。