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シャーロックホームズの歴史

著者、アーサー・コナン・ドイル。(1859~1930年)
スコットランド・エジンバラ生まれ。
ヴィクトリア朝時代のイギリスは、馬車や蒸気機関車が走り、ガス灯で、
身分制が色濃く残り、お金持ちの家では召使がいた。
そんな時代を舞台にして60もの事件を描いたのが、シャーロックホームズだ。

●実在したホームズのモデル
ホームズにはモデルとなった人がいた。
エジンバラ大学の診療所で講義をしていた外科医、ジョゼブ・ベル博士。
人並みはずれた観察力で患者の状態を一目見ただけで、職業や家族構成などすばすばと当てた。

●医者から作家へ
1887年「緋色の研究」でシャーロックホームズが誕生。
しかし歴史小説家になりたかったコナンドイルは、1889年歴史小説「マイカ・クラーク」を出版。
雑誌社からホームズの依頼を受け、1890年ホームズ第二作目となる「四人の署名」を発表。
小説を書きながら、ロンドンに眼科医を開業したが失敗。医者から作家に転向する。

●ホームズ暗殺計画
1891年~1893年まで、ほぼ毎月のようにストランドという雑誌に連載。人気となる。
しかし当のコナンドイルは、探偵小説を見下し、歴史小説家を熱望。
ホームズ連載をやめるために破格の原稿料アップを要請したが、受け入られてしまって続けざるを得なかった。
歴史小説に時間を割くため、ホームズを殺してしまう物語を着々と書きあげる。

そしてついに1893年「最後の事件」によって、犯罪界のナポレオン「モリアーティ教授」を登場させ、
スイス・ラインバッハの滝でホームズを殺してしまう。
これには読者から猛反発を受ける。

●復活
1901年、ホームズが死ぬ前の物語として「パスカヴィル家の犬」を連載。大好評。
そこで最後の事件について「あれは実は滝に落ちてはいなかったんだ」として、
1903年「空家事件」で、ホームズを生き返らせた。
なんといっても復活して登場するシーンが最高。
ワトソンを失神させるほどの変装でびっくりさせるのは、いかにもホームズらしい。
1927年までホームズ物語を書き続けた。

●ホームズの観察力を実際に適用
1903年、真夜中、家畜が切り殺された「ジョージ・エダルジ冤罪事件」について、
疑われた容疑者は、新聞を斜めに持ってくっつくように見ていたことから、
彼が強度の乱視・近視であることを指摘し、真夜中に殺す事などできないと進言。
「エダルジの様子を5分観察しただけで、私は彼の無実を確信した」と、
実際の冤罪事件を見事に解決したドイル。

●矛盾
徹底した科学実証主義を貫くホームズだが、作者は心霊研究に没頭していた。
特に晩年になると、心霊術関係の本を10冊以上出版。
1916年には「死者との交信を信じる」と宣言。
第一次世界対戦で死を目の当たりにした影響からか。

●意外な作品
映画「ロストワールド」の原作ともなった作者でもある。
1911年、現代の南米で恐竜を発見するというSF小説「失われた世界」が、
ロストワールドの原作となった小説だ。

by kasakoblog | 2001-10-03 18:01 | 書評・映画評

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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