ニュータイプ~ガンダムより
2001年 09月 19日
ガンダムのストーリーが進むにつれ、このキーワードが重要になってくる。
「ニュータイプ」とは、直感力・認識力に優れた人をいう。
地球連邦軍であればガンダムを操るアムロであり、ジオン公国でいえば赤い彗星のシャアである。
宇宙戦争で人類が敵も味方もすさんだ状況にあって、
若くして才能あふれるニュータイプの人たちが、新しい時代を切り開いていくのだ。
彼らが戦うモチベーションは、「国家のため」とか「軍のため」という観念はない。
自分のために能力を磨いていくことが彼らの最大のモチベーションになっている。
「自分のため」といっても決して一人よがりなのではなく、
自分のためになることが、結果的にはチームのため、国家のため、組織のためになるという思考を持っている。
決してチームのために自分を犠牲にしたりはしないし、自分のためにチームを犠牲にしたりはしない。
自分とチームとが互いの目的のために非常にドライな関係で結ばれている。
今の時代、ニュータイプの代表といえば、
サッカーの中田英寿であり、野球のイチローであり、音楽界では宇多田ヒカルであろう。
厳しい時代に自分が生き残るために、今自分が持っている才能を最大限に生かす。
自分が他に活躍できる場があれば、何もその仕事にこだわらないというドライな精神も持っている。
圧倒的実力と人気を誇りながら、非常にクールで冷静。冷静沈着で頭脳明晰。
根性だとか忍耐だとかそういった非論理的・非科学的な旧時代の美徳を拝し、
持って生まれた才能を最大限に生かすために、論理的科学的方法を探っていく。
自分を非常によく客観視できているというのも特徴。
しかし冷徹かと思えば意外にも情に厚いところもある。
落ち着いていると思うと、意外に子供っぽいところがあったりする。
そんな二面性から勘違いされることも多いが、それが彼らのスタンダードとなっているのだ。
「個」としての確立が非常に確固たるものとなっている。
そういった個が集まって構成するチームが、社会の理想となる。
互いの個が互いの個性を認め合い、生かしあって、
そのときその場の最善の選択の中で自分のできることをする。
誰もが自分のためになり、それが結果的にチームのためになる。
これからの時代、旧時代の膿を出しきり、新しい時代を作りにあたって、旧体制・旧世代の頑強な反発が予想される。
争いの大きなポイントの一つは世代間戦争になるだろう。
ニュータイプたる人材は、今あちこちに芽を出している。
時代の大きな変革期・過渡期における、この荒波を乗り越えるのは、
「ニュータイプ」の人たちであろう。