変わりゆく仕事場
2001年 10月 09日

今までずっとこの学習机を大事にしてきた。
実家から4度に渡る一人暮らしへの引っ越しの際、
幾度となく「狭いから捨てたら」とアドバイスされたが、
僕にとっては原稿を書く大切な「仕事場」であったがゆえに、これまで持ち続けていた。
ところが去年パソコンを買ってからというもの、
日に日にこの学習机で原稿を書くということが少なくなっていった。
パソコンで書くことが多くなったのだ。
そして今や物置机と成り果てた。物置にするなら、こんな邪魔な物置はいらない。
僕はこの机をゴミに出すことに決めた。
これも一つの時代の流れ。
パソコンに向って何もかもやるようになり、ノートを書く量も減ったし、
机に向って手書きで何かを書くということもめっきりなくなった。
便利といえば便利。
僕の解読不能な字も、パソコンでストックしておけばいくらでも整理がつくし、
ノートのように場所を取らずに保管ができる。
しかし何となく寂しさもある。
この机で野球カードをして遊んだり、ガンケシを使って遊んだり、
高校受験も大学受験もこの机で勉強した。
そんな思い出の机だが、もう不要。情けで物を置くわけにはいかない。
残念だけど、君の長い長い役目は終わったようだ。
小学校1年生の時からずっと一緒だったのだから、もう20年のつきあいということになる。
さようなら、学習机。