今こそ、観光収入に依存しない体制を
2001年 10月 25日
テロや戦争が行われている状況下で、自分たちが楽しんでいいものかと旅行をやめた方に、
遠慮せずに今こそ旅行に来てもらうことこそが、大きな励みになるという趣旨だ。
しかしこれは勘違いしている。
旅行をやめたのは、テロや戦争という悲しい出来事が起きて、
そこで観光気分で遊びに行くのは失礼だといった心情からではなく、
テロリストにつけ狙われ、それに対して大規模な戦争を起こしている危険な国家になど、
今は行きたくないというのが理由だ。
大々的に広告うって「私たちの励みになるよう来てください」というのでは説得力はない。
はっきりいって今の世界で最も危険な地域は、アフガニスタンではなく、アメリカとパキスタンなのだ。
私たちはテロにも戦争にも反対します。
軍事基地を島から廃し、武力行使ではなく平和的解決を望むよう、大統領に要望しています。
暴力的解決ではなく、対話と法の下でこの事件を解決します。
だからハワイは安全ですので来てください。
というのならわかるが、そうではないのだから。
それにしても、いかにハワイが観光収入に頼って生きてきたかがわかる。
曙関まで出してきて会見の席上で「ハワイは安全です」と無理やり言わせてまで、
観光客を呼び戻そうという苦肉の策は、あまりに見苦しい。
どうせ観光客が来なくて困るのは外資の高級ホテルなのだ。
観光客を「金」としてしか見ていないところに行く必要などない。
これを機会に観光収入に依存する体質を改善したらどうだろうか。
そうすればリゾート乱開発による環境破壊もなくなり、
本来の自然の美しさが回復し、本来のハワイの魅力がよみがえって逆に観光客が増えるかもしれない。
金目当てに、戦争にも反対せず、
ただ安全ですから来てくださいなんて実に虫のいい話だよな。