Simple
2001年 10月 23日
まるでお祭り騒ぎが終った後のように、
前日の騒ぎの残骸が散らかっていながらも、
街は静けさと落ち着きに満ちている。
まだ開いていない店が連なる商店街の道を歩いて、
近くの喫茶店でモーニングを食べに行く。
この瞬間に僕は思う。
平凡な毎日こそが、本当の幸せなのかもしれない。
世界のどこかで、戦争や殺戮やテロが行われていて、
同時的にテレビやネットでニュースが飛び込んできたところで、
僕は人通りの少ない商店街を歩きながら、
これから何をして遊ぼうか考えている。
コーヒーを飲みながら、新聞を読む。
国際情勢や厳しい経済状況、悲惨な事件に、
憤慨したり憂いたり、分析したり論じてみたところで、
それはすべては紙上の空論。
僕は平和だ。
頭の上にある火の粉も、
今、自分に降りかかってこなければ、
すべては他人事。
難しい国際情勢に顔をしかめた後は、
続き物の小説を読む。
恋愛小説ほど、最も愚かで、しかし最も面白いものはない。
と誰かが言った。
すべては一時の遊び
すべては一瞬の快楽
喫茶店を出ると、やっと平日の眠りから冷めた人々が、
街に繰り出し、再び街はバザール的喧騒さを漂わせている。
日は高く、そしてまぶしい。
図書館のはしごでもして、おいしいラーメンでもくって、
ビデオでも見て昼寝して、友達と飲んで、カラオケして、
テレビでも見て寝るかあ。
ささやかな休日こそが、
どんな大儀名分をふりかざした「聖戦」より、
平和を実現しているのかもしれない。