「マネーの虎」の至言
2002年 02月 25日
今、日本テレビで人気テレビ番組に「マネーの虎」というのがある。
土曜日の深夜にやっているのだが、人気のためゴールデンタイムに近々うつるという。
吉田栄作が司会者で、大物社長5人が企画を持った若者に、
現金をその場で投資するかどうか話を聞いて決める番組なのだ。
昨日放送した時、「さすがだな」と思った大物社長のやりとりがあった。
カナダのデザートブランドを日本に展開したいという若者に、ある大物社長がこう言った。
「君に5000万円、この場で投資してもいいよ。
その代わり、5000万、1年後に現金で返せるか?」
この提案に一瞬とまどいを覚えた若者は「必ず返します」と言った。
それを聞いた大物社長はこう言ったのだ。
「返せないっていったら投資しようと思った」
どういうことか。
自分のさらけだせる人でないと信用できないとその社長は言っている。
あてもないのにこの場で金が欲しいから返せますといった若者は信用できないと判断したのだろう。
逆に返せないとはっきりいえば、自分の力量も自分のこれからやろうとしている事業に対して、
冷静な判断を下せている人と評価できたから投資してもいいということなのだろう。
これは至言だ。
無理なことをはったりでいうことも必要な場面はあるかもしれないが、
できもしないことをできるといってしまうのは、単なる愚か者の言うことだ。
きちんとした裏付けがあった上で「できます」という人間でなければ信用できないのだ。
かのシャーロックホームズも、
「自意識過剰な過大評価も遠慮することによる過小評価も、物事の本質からは外れる」
というようなことを言っている。
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もう一人、別の大物社長が言った至言。
「夢に日付を入れられる人に投資したい」
さすがである。
夢物語を現実に移せるか移せないかは、具体的なビジョンがあるかないかで決まる。
いつまでも夢で終わらせないためにも、自分の夢に日付を入れよう。
まあ夢があればの話だが。
現代の若者は(いや若者に限らず)夢がないからな。
夢がないというより夢をみつけられない。
自分のやりたいことが何なのかわからない。自分の好きなことが何なのかわからない。
ただ日常に流されるままなんとなく過ごしている。
自分の夢なんて自分で考えなきゃみつからないわけで、
他人から与えられたり教えられたりするものではないのだから。
夢なんてくさい言葉を吐くと、笑う人がいるかもしれないけど、
それはやっぱり夢のない人間の負け犬の遠吠えであって、
現実から、自分の人生から、逃げているだけの存在なんだ。
別に夢なんて大言壮語のものじゃない。
どんなことだっていい。ささやかなことだっていいのだ。
確かに社会は不正だらけかもしれないけれど、
社会や時代のせいにして夢をあきらめたらおしまいだ。
こんな時代だからこそ、夢を持つ必要があり、
そしてまた「夢しか実現しない」んだと思う。