ワールドカップ考
2002年 03月 06日
いよいよ日本スポーツニュースは連日サッカーワールドカップの話題でいっぱいだが、
考えてみれば、サッカーに興味のない人にとってはたいしたニュースではないといえばない。
もちろんJリーグに興味はないが、日本の代表戦だから見るという人も多いだろうが、
まあ女の子の大半は、勤務中に日本代表戦にテレビにかじりつく男の子を、
不思議な目で見ているというのが、どこの風景ではないだろうか。
日韓共催を機に、しょうもないドラマ番組が相次いで放送されたが、
(深田恭子のドラマやスマップの稲垣のドラマ。何がしょうもないかってテーマが前近代的)
ストーリーは「こうなるだろうな」と明らかに見透かされてしまうもので、
ただ韓国人と一緒にドラマを作ったという話題だけが先行しているだけで、あまり中身がない。
藤原紀香がなぜ日韓親善大使なのかもよくわからないまま、
とりあえず日韓交流をしましょうという、非常にマスコミ的レベルでのうすっぺらなものしか行われず、
なんだか単なる「韓国ブーム」「日本ブーム」でしかないような気がする。
ワールドカップを機に盛り上がっているのは、
ワールドカップのチケットを金にまかせて一般売りから懸賞用にぶんどった企業だけで、
これを機会にひと儲けしようというそういうものでしかない。
「私たちはワールドカップを応援しています」と、 日本全国の企業全部がそういってるんじゃないかと思うほど、
テレビのCMなどではその言葉をつけることによって自分の企業のイメージアップを図っている。
まあそれでも民間企業は、莫大なスポンサー料に見合っただけの利益を、
まんまと消費者からせしめるわけだからまあいいが、
ひどいのはなんといっても各国のキャンプ地を誘致して経済効果を期待しているアホ自治体どもだ。
たかがキャンプ地になっただけで経済効果などあるわけはない。
あるのは地元建設業界やホテル業界を潤すだけで、
支出一方のキャンプ地誘致の莫大な費用は、医療や福祉といった金をかけるべきところに予算を削減し、
住民の税金を無駄使いしているのだ。
もし自治体が民間企業であったら、
キャンプ地誘致に関する巨大プロジェクトを実施するにあたっては、会社の盛衰を決めるわけだから、
数限りないシミュレーションが行われ、最悪の事態を考えても損をしないということが断言できて、
はじめて誘致活動を行うのであって、今の自治体のように、地元の建設業界を潤し、
自分が任期中に派手なことをやったと足跡を残したい、いわばミニ鈴木宗男市長は、
はっきりいって誘致によって絶対に経済効果は出ないし、市民の過度な税金負担が増えるだけである。
ワールドカップはこういった「ワールドカップ」に乗っかるアホ野郎の温床になっているだけで、
もちろんサッカー好きにはたまらない大イベントだか、
一般市民にとっては踊らされてバカを見る、いわば「ワールドカップバブル」に過ぎないように思える。
フーリガン対策もままならない日本において、
世界的な大イベント・サッカーワールドカップが行われるということは、自分にとってどういう意味を持つのか。
たかがボールの蹴り合いゲームを、もう一度自分に引き寄せて冷静に考える必要があるのではないだろうか。