マイコプラズマ肺炎?!
2011年 02月 07日
しかし多くの人がこう思う。
「ちょっとぐらいの風邪で仕事休むわけにはいかない」
「しばらくすれば治るだろうから市販の薬を飲んでおけばいい」
こうしてちゃんと病院に行かない人のせいで、
社会に風邪やらインフルエンザやらノロウイルスが撒き散らされ、
多くの人が病気になるという結果を招いている。
ただ風邪でもなくインフルエンザでもなく、
そして一時期、流行った百日ぜきでもなく、
マイコプラズマ肺炎という病気をご存知だろうか?
先月、朝の情報番組で、
「せきがひどいのは単なる風邪ではなく、
マイコプラズマ肺炎の可能性もあるので、
ちゃんと病院で診察を受けることが大事」
と放送していた。
私はそれを見てぎょっとした。
昨年来、ぜんぜんせきが止まらない。
ひょっとしてこれはマイコプラズマ肺炎なのではないかと!
先日、病院に行き、
風邪薬を1週間分もらって飲んでいた最中だったが、
まったくせきが治まる気配がないので、
誤診しているんじゃないかと思い、再び同じ病院に行った。
この病院は私がこれまで行った近所の病院の中で、
最も信頼できそうな先生のいる個人病院だった。
たまたまいつも行く病院が、
その日だけ休診日だったので、この病院を訪れた。
今まで訪れていた家の前にある大病院よりも、
そこが信頼できず、何度か訪れていた違う病院よりも、
そこは圧倒的に信頼できる感じだった。
診察も丁寧で、先生の言葉に説得力があり、
今までの病院のように患者を“流して”扱っている感じがない。
しかしそんな信頼していた病院が、
まさかマイコプラズマ肺炎に気づかなかったのか?
と疑い、再び訪れた。
多分70歳ぐらいのはずだけど、
すごく元気にみちあふれた感じのおばあちゃん先生。
「薬をもらってもぜんぜんせきが止まらない。
ひょっとしてマイコプラズマ肺炎なんじゃないですか?」
と聞いてみた。
するとおばあちゃん先生はすべてを見通す占い師のように、
少し苛立ちを覚えながらも落ち着いた様子で言った。
「何?どこのテレビでやったの?NHK?違うフジテレビ?
大丈夫。ちゃんと初診の段階から、
マイコプラズマの可能性も考えて診察してるし、
うちでもマイコプラズマの人も何人も診ているから。
あなたのはね、熱がぜんぜんないから、大丈夫。
でも念のためというなら血液検査もしましょうか?
今年の風邪はせきが長引くのが特徴なの。
だから1週間分出したの。
まだ薬2日分残ってるでしょ。
ちゃんとそれを全部飲みきって、
それでもまだせきがひどいなら、また病院に来てください」
すべてはお見通しといった落ち着きに、
私はひとまず安心した。
2日後、薬を1週間分、飲み終えると、
せきは今までより格段に少なくなった。
やっぱりあの先生の言っていたことは本当だった。
その1週間後、念のため行った、
血液検査の結果を知るために病院に行ったが、
マイコプラズマ肺炎ではないことがわかった。
さすが先生、恐れ入りました。
それにしても人生、巡り合わせって不思議。
もし行くはずの病院が休診日でなかったら、
この信頼できるおばあちゃん先生には会わなかっただろう。
そこはそんなに悪くはないが、
3日分薬出して様子見ましょうというのが、
3度ぐらい続いていて、心配になっていた。
いや、もちろん、この病院が悪いわけではないと思う。
でも3日分だとすぐ薬はなくなる。
薬がなくなって治ってればいいが、
治らなかったらまた病院に行かなくてはならない。
病院に行くことが大事とはいえ、
当たり前の話だけど、社会人ともなれば、
基本、平日の日中しか空いていない病院に、
何度も間隔を空けずに行くのは難しい。
でもあらかじめせきが長引くのが特徴だと考え、
かつ私が社会人でなかなか病院に来れなそうだと考えた、
あのおばあちゃん先生の配慮がありがたい。
災い転じて風邪治る。
病院が休診日だった時は、
なんてついていないんだと思ったけれど、
そのおかげでいい病院にめぐり合えた。
生きているとちょっとした不運なことにあうことも多いが、
不運が本当の不運かはわからない。
よりいいものに出会うチャンスかもしれない。
不運があっても次の手段を考え、
前向きに行動すれば、
きっと不運も幸運に変わるに違いない。
そんな考え方をして生きれば、
不運もピンチもすべてがチャンスに変わると思う。