食料が高騰!デフレ・円高なんて言ってる場合じゃない
2011年 02月 09日
言い続けてきたマスコミに、
すっかり洗脳された国民だが、
世界的に食料が再び高騰しているのをご存知だろうか?
国連食糧農業機関(FAO)によると、
2011年1月の食糧価格指数は過去最高を記録した。
デフレ=物価下落で大変だと騒いでいるが、
みなさんもご存知、2008年のリーマンショックが起きるまで、
食料品が次々に値上げされたのは記憶に新しいはずだ。
毎日ラーメン食べている私なんかは、
どこのラーメン屋に行っても、
だいたい30~50円ぐらいの値上げが行われたのを覚えている。
デフレが大変だというが、
インフレ=物価上昇、ましてや食料の高騰は、
我々の生活を脅かしかねない脅威だ。
なぜ食料高騰が起きているのか。
理由は3つある。
1つは、新興国が経済成長し、
今まで貧乏人だった人たちが嗜好品を買えるようになったから。
2つ目は、相次ぐ自然災害。
温暖化ではなく異常気象のせいで、
暑かったり大寒波がきたり、
洪水やハリケーンなど様々な自然災害が増え、
農作物に影響を与えている。
しかしこんな2つははっきりいってどうでもいい。
一番の悪の原因は、
投機資金が食料品市場になだれこんでいるからだ。
グラフを見ればよくわかる。
これが国連食糧農業機関の
実質食料価格指数(REAL FOOD PRICE INDICES)。
見てわかるように、
2003年から2007年ぐらいまでは、
100~120前後で推移していたが、
2007年3月以降、急騰。
2007年3月に120.8だったが、
2008年6月には184.7まで急騰した。
この時期は世界バブルの大絶頂期。
世界的に金余り状況が続き、
株や不動産バブルを生んだだけでなく、
コモディティ(食料や原油、金など)バブルも生んだのだ。
ところがご存知のように、
2008年9月にリーマンブラザーズ破綻による、
金融危機が起きると、
株、不動産、コモディティバブルは一挙に崩壊。
みんながみんな雪崩を売って売り急いだ結果、
グラフを見てわかる通り、価格指数は急落。
2008年6月に184.7だったものが、
2009年3月には121.4まで下がった。
しかしここで冷静に考えてみればわかるが、
2007年3月が120.8で2009年3月が121.4。
ようはその間が異常なバブルで高騰しただけであって、
本来なら120あたりは正常な値のはずだ。
デフレだとか不景気だとか市場低迷なんて、
バブルと比べるからおかしくなる。
しかしなんとしてもバブルを生成して、
儲けることに必死な人たちがいる。
2010年6月、143.6とじわじわ上がってたが、
そこから再び急騰!
2011年1月には197.1と過去最高の数字を記録した。
なぜこの間に再び食料価格の高騰が起きたのか。
理由は簡単。
アメリカの量的金融緩和第二弾=QE2が実施されたからだ。
世界経済の仕組みは東西冷戦時代から、
大きく変わっているにもかかわらず、
ほとんどの国は不景気になったら、
市場にいっぱいお金を流通させれば、
景気が良くなるという過去のセオリーを未だに行っている。
しかし金をいっぱい市場に流されても使うところがない。
でも金をそのままにしていても、
どこの国も低金利だから、預金するのはもったいない。
じゃあギャンブルしようと、
再び食料が投機対象ととなり、
価格が押し上げられているのだ。
ギャンブルの対象が株という紙切れならまだいい。
しかし食料や原油となったら話は別。
2007年頃に食料やガソリン価格が急騰したように、
ギャンブルの対象となると実害が及ぶ。
実際に後進国では食料が買えずに大暴動が起きた。
こうして先進国の政府が、
実需産業を育てず、金融という虚業、
言ってみればパチンコ産業みたいなギャンブルで、
儲けて景気回復を図ろうとしているから、
食料が高騰して世界の庶民が困るという、
再び同じ愚を繰り返し始めているのだ。
こうしてデフレ回復を御旗に、金をばらまくことで、
再びあらゆる市場がバブルになり、
そして再び100年に1度の危機が、
5年に1回ぐらい起こって、
実体経済がめちゃめちゃになって、
そのとばっちりはすべて庶民がかぶり、
ギャンブルの胴元である金融機関は税金で助けられ、
その分の費用は増税でまかなわれ、
新たな景気対策=ばらまきが必要だと、
先進国が借金しまくって、
ヨーロッパ各国が財政赤字で苦しみ、
最後は国民の大増税と国民の福祉カットで行おうと、
とんでもないイカサマが繰り返されているのである。
あまりにも巨大な力過ぎて、
指をくわえて見るしかないのだが、
こういうおかしなことが繰り返されているという実態は、
食料価格指数の推移を見ただけでも、
明確にわかるだろう。
それを頭に入れておけば、
バブルに踊らず、バブル崩壊に構えられると思う。