ゲカイ
2002年 04月 23日
部屋から出て電車に乗って思ったことは「外界とはこんなにも明るいのか」という驚きだった。
その日は雨が降っていたにもかかわらず、「明るい」と感じたのだ。
「希望」といったら大げさに聞こえるかもしれないが、
2週間ぶりに見る外の世界は、まさしく希望に満ち溢れていた。
やっぱり人間というのは日中は外に出て、太陽の光を浴びるのが、
肉体的にも精神的にも健全になるのだろう。
テレビゲームやパソコン、インターネット、マンガ、ビデオ等、
エアコンつけて年中快適な室温で、人と接しず、
「引きこもりグッズ」を駆使した現代人たちの精神がいかに蝕まれているか、
先日起きた異常ともいえる少女監禁事件を挙げるまでもなく、 いかに狂っているかがわかる。
逆に夜だけ外に出て活動する「夜行性」傾向にも、コインの表裏ともいうべき狂気が隠されている。
コンビニに限らず、なぜこんな店まで24時間営業する必要があるんだろうという、
いぶかしがるようなことが多いが、案外真昼間に営業するより深夜の方が人が入っていたりする。
人目を避けて闇夜のネオンに群がる「蛾」のごとき現代人。
日中の光を恐れて夜行動する習性は、昼間お天道様の前では歩けない、
後ろめたい罪を背負っているからに違いない。
今回の寝たきり生活ながらもある程度自宅にいて仕事ができてしまった現実。
そして今後「ブロードバンド」とわけもわからず叫んでいるように、
ネットワークの充実による、大容量のデータの高速化が進むに連れ、
在宅勤務、在宅インターネット会議など、ますますお天道様の前に出る機会は少なくなるだろう。
店は出店コストを考え、すべてみなインターネットショップに蔵代わりし、
みんなネットで買物を済ませる時代はもうすぐそこまでやってきている。
そうなった時、お天道様の前で健全な肉体と精神を宿して「働く」ことができるのは、
どんなにブロードバンドが進んでも送信することができない物理的な物体を運ぶ、
佐川のあんちゃんだけっといったところだろうか。