マンショントリック
2002年 05月 27日
そこからの脱出が夢であり、
「何号棟の誰々ちゃん家は今度、一戸建て買って引っ越すみたいよ」
というのを子供心に羨望のまなざしを向けていたのである。
あれは僕が小学校3年生のときだったか。
1号棟に住む親しい人が、今度マンションを買うことになり、引っ越すことになったという。
親は「マンション買ったなんてすごいよな」と言っていた。
聞けば3500万円もするというのだ。
僕はその時「マンションを買った」という言葉を、
まるまる1棟マンションを買ったのだと勘違いしていた。
なぜそんな勘違いをしたかといえば、僕はまだマンションというシステムがよくわかっていなかった。
まあちょっと豪華な社宅ぐらいのイメージでいたわけで、
一戸建てと比べたらはるかに格下とみていたわけである。
だって土地もないし、だた何室もある部屋の1室だけなら、なんら社宅と変らない。
だから僕は3500万円もの大金を出してマンションを買ったというのは、
1室ではなくまるまる1棟買ったと勘違いしたのだ。
でも実際にその人が買った新築マンションに行ってみると、やっぱり1室だけのようだ。
別にマンションのオーナーになったわけでもなし、土地もない。
なぜそれなのにそんな大金かかるのだろうと不思議でならなかった。
今、僕はマンションに住んでいる。
不動産担保金融をやってきたこともあり、やはりマンションより土地付一戸建ての方が価値があると思う。
でもいろんなこと考えると、マンションって便利だよな。
この物騒な時代、一戸建てって言ってみれば外界からすぐに浸入されてしまうわけで、
そういう意味では、マンションの方がセキュリティはいいのかな。
単なる一戸建ての隣近所ではなく、同じマンションに住んでいることから隣に住んでいる人との連帯感もあるし。
また一階二階と階段のぼって部屋が別れているより、同じフロア-に何部屋もあったほうが便利なのかなと。
まあマンションの場合、時が経つにつれ価値は急激に落ちていってしまうわけだが、
現代の都市型社会に住み良いのは、一戸建てよりマンションなのかもな。
(これが地方なら話は別だが)
まあそんなわけで、今、結構マンションブームらしい。